Japanese
English
特集 脊椎脊髄外科領域における希少疾患と外科治療
脊髄髄内出血性病変(急性発症)
Spinal Intramedullary Hemorrhage
内藤 堅太郎
1
Kentaro NAITO
1
1大阪公立大学大学院医学研究科脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Osaka Metropolitan University Graduate School of Medicine
キーワード:
脊髄出血
,
spinal cord hemorrhage
,
海綿状血管腫
,
cavernous malformation
,
血管芽腫
,
hemangioblastoma
Keyword:
脊髄出血
,
spinal cord hemorrhage
,
海綿状血管腫
,
cavernous malformation
,
血管芽腫
,
hemangioblastoma
pp.627-633
発行日 2025年10月25日
Published Date 2025/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091444120380100627
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はじめに
頭蓋内出血とは異なり,脊柱管内出血と記述されることは少なく,硬膜外から脊髄髄内までを含めて脊髄出血と記述されていることが多い.本来であれば,脳出血と対応する脊髄出血は脊髄髄内の出血を表す用語であると考えられる.脊髄髄内出血をきたす原因疾患としては,脊髄血管奇形(海綿状血管腫,脊髄髄内動静脈奇形)や腫瘍(上衣腫,血管芽腫など)がある.それぞれが希少疾患であり,さらに髄内出血を伴う症例となると,単施設における症例経験数では症例解析を行うことは困難である.そのため,過去の症例報告やシステマティックレビューを参考に,個々の症例に対応しているのが現状である.今回,脊髄動静脈奇形に対する治療は他稿に譲るとして,本稿では脊髄海綿状血管腫と脊髄腫瘍による脊髄髄内出血性病変(急性発症)について自験例を提示して解説する.

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