Japanese
English
臨床経験
巨大脊髄空洞症と側弯症を伴った頚髄髄内血管芽腫の1例
Cervical Intramedullary Hemangioblastoma with Large Syringomyelia and Scoliosis : A Case Report
石部 達也
1
,
多田 弘史
1
,
井戸 一博
1
,
松田 康孝
1
,
中村 孝志
1
,
伊勢 健太郎
2
,
中山 裕一郎
2
,
清水 克時
3
Tatsuya Ishibe
1
1京都大学医学部整形外科
2国立姫路病院整形外科
3岐阜大学医学部整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Faculty of Medicine, Kyoto University
キーワード:
hemangioblastoma
,
血管芽腫
,
syringomyelia
,
脊髄空洞症
,
scoliosis
,
側弯症
Keyword:
hemangioblastoma
,
血管芽腫
,
syringomyelia
,
脊髄空洞症
,
scoliosis
,
側弯症
pp.703-706
発行日 1997年6月25日
Published Date 1997/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902191
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抄録:比較的稀な,巨大脊髄空洞症と側弯症を伴った頚髄髄内血管芽腫(hemangioblastoma)を経験した.症例は17歳男性,右手指伸展障害と左下肢筋力低下,解離性知覚障害,右凸の胸椎側弯(Cobb角31°)が見られた.画像所見よりC7-T1レベルの髄内腫瘍と,ほぼ全脊髄にわたる巨大な空洞が認められた.この症例に対し,C6下半分からT1までの椎弓切除を行い,CUSAにて髄内腫瘍を摘出した.腫瘍摘出後に上下の空洞と交通が得られたことを確認した.術後のMRIで,腫瘍の消失と空洞の縮小が認められた.術後は握力の回復と右手指の伸展障害の改善が得られたが,左下肢不全麻痺と,右下肢と左上肢のしびれ感が出現した.不全麻痺は徐々に回復し,術後8カ月にて杖なし歩行が可能となった.解離性知覚障害が消失し,胸椎側弯がCobb角21°まで改善された.この症例では,脊髄髄内腫瘍により生じた脊髄空洞症が側弯形成の一因であったと考えられる.
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