境界領域/知っておきたい
腰痛と絞扼性神経障害—上殿皮神経・中殿皮神経障害の診断と治療
吉永 泰介
1,2
,
金 景成
3
,
井須 豊彦
4,5
1福岡大学医学部脳神経外科
2松本病院脳神経外科
3日本医科大学千葉北総病院脳神経外科
4釧路労災病院脳神経外科
5小樽市立病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Faculty of Medicine, Fukuoka University
2Department of Neurosurgery, Matsumoto Hospital
3Department of Neurosurgery, Nippon Medical School Chiba Hokusoh Hospital
4Department of Neurosurgery, Kushiro Rosai Hospital
5Department of Neurosurgery, Otaru General Hospital
pp.760-764
発行日 2026年6月25日
Published Date 2026/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.055704330610060760
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はじめに
腰痛は一般診療において頻度の高い症状であり,その原因は椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄,仙腸関節障害など多様である.上殿皮・中殿皮神経障害は多様な腰痛疾患に紛れて併発しやすく,腰椎手術後の遺残腰痛(failed back surgery syndrome:FBSS)の原因にもなり得る1-4).過去の報告では,全腰痛の10%前後を占めるとされており,実臨床では決して稀ではないが,見落とされることで難治性腰痛として扱われることもある5,6).釧路労災病院脳神経外科における腰痛患者367例を対象にした調査では,併存疾患を伴う上殿皮神経障害の発生率は12.3%(単独の上殿皮神経障害は3%),併存疾患を伴う中殿皮神経障害の発生率は13.6%(単独の中殿皮神経障害は3.5%)であった7).本稿では上殿皮・中殿皮神経障害の診断と治療について概説する.

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