書評
我々の足の外科—手術手技アトラス
仁木 久照
1,2
1府中恵仁会病院・足の外科センター
2聖マリアンナ医科大学
pp.390
発行日 2026年4月25日
Published Date 2026/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.055704330610040390
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「奈良医大足の外科診療班」は,わが国のみならずアジアにおける足の外科診療をけん引してきた中心的存在である.その礎は高倉義典名誉教授によって築かれ,北田力先生をはじめとする同門の先生方により,臨床と研究の両輪で体系化されてきた.そしてこの流れを大きく発展させ,今日の奈良医大足の外科の姿を完成させたのが,16年にわたり主任教授を務められた田中康仁先生である.本書は,2025年3月末日をもってご退官された田中先生の在任期間に培われた臨床哲学と手術手技を,奈良医大足の外科診療班総力でまとめ上げた,「田中康仁時代の足の外科」の集大成とも言うべき一冊である.
『我々の足の外科—手術手技アトラス』というタイトルと表紙を目にしたとき,私は津下健哉先生の名著『私の手の外科—手術アトラス』を思い起こした.一人の外科医の思想と技を後世に伝えた同書と同様に,本書もまた,奈良医大足の外科,そして田中先生の臨床哲学を次世代へと継承する書であると感じた.足の外科医が必ず遭遇する代表的手術について,手術適応,術式選択,手技の要点,ピットフォールまでが簡潔に整理されており,今後長く読み継がれる名著となるであろう.手術前に読み返し,注意点とコツを確認するのに適した分量であり,「明日からの手術にすぐ役立つ書」という評価がふさわしい.

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