シンポジウム 脊髄損傷患者に対する早期脊椎固定術の適応と成績
ディスカッション
岩原 寅猪
1
,
津山 直一
2
,
山田 憲吾
3
,
木村 元吉
4
,
渡辺 良彦
5
,
村川 浩正
6
,
石川 芳光
7
1国立村山療養所
2東京大学
3徳島大学
4東北労災病院
5清水厚生病院
6岡山労災病院
7千葉労災病院
pp.400-405
発行日 1968年5月25日
Published Date 1968/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903916
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岩原 ありがとうございました.山田教授はたぶん,より保存的の意見だろう,木村,村川君はより積極的にやるだろうと思つていたら,案の定そうでありました.脊髄損傷そのものに対する治療だけでなしに,脊椎脊髄損傷患者全体の治療という観点から考えていただきたく,「固定術」の演題を選んだゆえんはここにあります.
かつては損傷脊髄にメスを加える余地があるかどうかが問題となり,その適応が論じられてきましたが,その後外科学は非常に進みまして,殊に脊柱固定術が登場して,いまでは目をみはり,耳をそばだてさせるものがあります.殊に脊髄損傷に対する早期手術が言われ,なんとかしてAllenの超早期手術説を実現させたいとの意図がうかがえるのであります.われわれが脊髄損傷を手術した時分は,全部局所麻酔のもとでやらなければなりませんでしたが,いまは呼吸も脈も心配いらない全身麻酔のもとでやれるのでありますから,昔と同日に論じられないのはよくわかつています.
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