書評
重度四肢外傷 ケースで学ぶ実践ハンドブック—現場で役立つマスターガイド
善家 雄吉
1
1産業医科大学病院外傷再建センター
pp.1383
発行日 2025年12月25日
Published Date 2025/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.055704330600121383
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重度四肢外傷は,診療科や施設の枠を超えて,多くの医療従事者にとって臨床的にも教育的にも挑戦となる現場である.その対応は時として,生命と四肢の存続という極めて重い判断を伴い,その臨床現場には高度な知識と状況判断,さらには迅速なチーム連携が求められる.本書『重度四肢外傷 ケースで学ぶ実践ハンドブック』は,そうした現実に立ち向かう術を,まさに「現場から生まれ,現場で磨かれた知」として体系的にとてもわかりやすく提示してくれた貴重な1冊である.
本書はJ-SWAT(Japanese Severe Extremity Trauma & Wound Management Activate Team)の若手・中堅医師たちによる長年の実践と蓄積,そして全国各地でのセミナー活動の成果として結実した.第1章では重度四肢外傷の評価・初期対応・固定・軟部組織管理といった基本が網羅されており,診療アルゴリズムや動画による視覚的補助を交えることで,読者が具体的な行動に直結できるよう構成されている.

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