書評
重度四肢外傷 ケースで学ぶ実践ハンドブック—現場で役立つマスターガイド
工藤 俊哉
1,2
1新百合ヶ丘総合病院外傷再建センター
2福島県立医科大学・外傷学
pp.1263
発行日 2025年11月25日
Published Date 2025/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.055704330600111263
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本書は,JSETS(Japan Severe Extremity Trauma Symposium;日本重度四肢外傷シンポジウム)で長年にわたり提示・議論されてきた知見に対して,次世代の医師たちが臨床現場から真摯に応答した「手紙」である.現在の外傷治療のスタンダードが,数多くの試行錯誤や,時に悔いの残る不遇な転帰を経て築かれてきたことを,改めて思い起こさせてくれる.
取り上げられている症例には,過去の経験を否定することなく,それに甘んじることもせず,未来をより良いものにしたいという意志がにじむ.限られた資源や時間の中で,いかにして患者にとって最善の選択を届けるかという,臨床医としての葛藤と挑戦が誠実に描かれている.

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