境界領域/知っておきたい
神経筋難病へのニューロリハビリテーションの基礎から実際
中島 孝
1
Takashi NAKAJIMA
1
1独立行政法人国立病院機構新潟病院(脳神経内科)
pp.978-983
発行日 2025年8月25日
Published Date 2025/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.055704330600080978
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はじめに
ニューロリハビリテーションの原理が明確になってきた.これは「HAL®医療用下肢タイプ(Cyberdyne inc.社)」1)の医師主導治験(NCY-3001およびNCY-2001試験)による検証と保険医療の実績が貢献している.HALの適応疾患のHTLV-1関連脊髄症(HTLV-1-associated myelopathy:HAM)と遺伝性痙性対麻痺の病変部位は胸髄にあり,小型サイズのHAL(脚長サイズ2S),「医療用HAL下肢タイプB(Cyberdyne inc.社)」2)が2025年1月に承認され,成長発達段階の小児に対しても使用できるため,情報を共有し関節拘縮に対する腱・筋延長手術を含む対応も再考するきっかけにしていただければ幸いである.医薬品名を研究論文等に記載する際に使う,INN(International Nonproprietary Names)で定められた一般的名称(generic name, nonproprietary name)は医療機器にはないため,製品名(製造販売会社名)を記載する.一般的名称,例えばHAL医療用下肢タイプの「生体信号反応式運動機能改善装置」は機器分類名である.

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