Japanese
English
今月の主題 Post H. pylori時代の胃炎・胃症
症例アトラス
炭酸ランタン関連胃症
Lanthanum Deposition in the Stomach
岩室 雅也
1
,
田中 健大
2
Masaya Iwamuro
1
1岡山大学病院消化器内科
2岡山大学大学院医歯薬学総合研究科病理学(腫瘍病理)
キーワード:
高リン血症
,
炭酸ランタン
,
リン酸ランタン
,
慢性腎臓病
,
白色病変
Keyword:
高リン血症
,
炭酸ランタン
,
リン酸ランタン
,
慢性腎臓病
,
白色病変
pp.59-61
発行日 2025年1月25日
Published Date 2025/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.053621800600010059
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疾患の概要
ランタン(元素記号La)は消化管内で食物中のリンと結合し,リン酸ランタンとなり,便として排泄されるため,リンの吸収を抑える作用がある.このリン吸着剤としての作用をもとに,炭酸ランタンは慢性腎臓病において高リン血症の治療薬として用いられる.比較的頻度が高い炭酸ランタンの副作用として嘔吐,悪心,便秘などの消化器症状がある.一方,内視鏡検査で胃粘膜にランタンが沈着し,白色の色調変化がみられることがあり,これを炭酸ランタン関連胃症と呼ぶ.本症の長期予後は不明であるものの,炭酸ランタン関連胃症に伴う健康障害の報告はなく,内視鏡診断をもとに炭酸ランタン服用を中止する必要はないと考えられている1)2).
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