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特集 —これだけは知っておきたい—せん妄診療の現在
【せん妄に対するケアと薬の選び方:何をどう使う?】
難治性の過活動型せん妄に対する薬物療法,次の一手
Next Steps in Pharmacotherapy for Refractory Hyperactive Delirium
上村 恵一
1
Keiichi Uemura
1
1国家公務員共済組合連合会斗南病院精神科
1Department of Psychiatry and Palliative Care, Tonan Hospital
キーワード:
難治性せん妄
,
refractory delirium
,
過活動型せん妄
,
hyperactive delirium
,
ハロペリドール静注
,
intravenous haloperidol
,
ミダゾラム
,
midazolam
,
静穏化
,
sedation
Keyword:
難治性せん妄
,
refractory delirium
,
過活動型せん妄
,
hyperactive delirium
,
ハロペリドール静注
,
intravenous haloperidol
,
ミダゾラム
,
midazolam
,
静穏化
,
sedation
pp.38-44
発行日 2026年1月15日
Published Date 2026/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048812810680010038
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抄録
興奮が強い過活動型せん妄は,医療安全上の問題から難治性と認識されがちであるが,せん妄の真の遷延例の多くは低活動型であることが疫学的に示されている。したがって,急性期の強い興奮への対応は,薬物療法の強化よりも,低栄養や脱水などの身体要因,器質性・薬剤性因子の徹底的な再評価と身体管理を行うことが,真の「次の一手」となる。
薬物療法においては,内服が困難な状況下で,静穏化を目的としたハロペリドール静注が基本戦略となる。原因精査のために静止を要する場合は,半減期が短いミダゾラム静注をハロペリドールと併用するが,呼吸抑制に対するフルマゼニルの準備が必須である。
予後が短い終末期せん妄においては,苦痛緩和を主眼とし,従来のハロペリドールとベンゾジアゼピン系薬の積極的な併用が求められる。さらに,内服困難時の選択肢として,アセナピン舌下錠,ブロナンセリン貼付剤,オランザピン注射剤などの第2世代抗精神病薬の非経口製剤の活用が広がっている。ただし,これらはせん妄への保険適用がなく,心毒性リスクが高いことを念頭に,患者の利益が上回る場合に限り慎重に使用すべきである。

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