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特集 成人の知的発達症—精神医学の視点からできる支援
精神科と刑務所を行き来する人々—累犯の知的発達症患者に精神科医は何ができるか
Revolving Doors;Psychiatry and Prison for Recidivist with an Intellectual Disability
青島 多津子
1
Aoshima Tazuko
1
1溝口病院
1Mizoguchi Hospital, Shizuoka, Japan
キーワード:
知的障害累犯者
,
recidivist with an intellectual disability
,
再犯防止
,
prevention of recidivism
,
状況反応
,
situational reaction
Keyword:
知的障害累犯者
,
recidivist with an intellectual disability
,
再犯防止
,
prevention of recidivism
,
状況反応
,
situational reaction
pp.1592-1596
発行日 2025年12月15日
Published Date 2025/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048812810670121592
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抄録
日本の刑務所に収監されている知的発達症患者は全受刑者の2.4%とされており,その6割が再犯を行っている。累犯者には精神科への受診歴をもつ者も多いため,適切な精神科医療が再犯防止の役割を果たす可能性が高い。筆者の勤務病院を受診しているこうした患者9名は,状況反応による一過性の幻覚妄想状態を呈して精神科受診に至り,拘禁刑の受刑中は施設内で向精神薬の投与を受けていた。窃盗および放火が多く,その動機は衝動的・短絡的である。生育背景は不遇な環境で,適切な療育や福祉的ケアを受けていなかった者がほとんどである。受刑歴が長くなると,施設化が起こり,受け身の姿勢を身に着け,不満や疑問を口に出さずに心に溜め込む傾向が強くなる。そのことが,一見異常と見える精神症状や行動,犯罪に結びつきやすい。本稿ではそうした患者の一人について,症例報告を行い,その心情を把握しながらの治療の必要性と再犯防止の可能性を探る。

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