増大号 超実践! 病理で迫るがんゲノム医療—検査から治療まで
1章 知っておくべき基本的なこと—がん遺伝子検査の特徴と,がんゲノム医療の流れ
保険適応の各がん遺伝子検査の特徴
コンパニオン診断薬・免疫組織化学
柳田 絵美衣
1
,
今川 誠
2
1群馬パース大学医療技術学部検査技術学科
2KKR札幌医療センター病理診断科
キーワード:
コンパニオン診断薬
,
免疫組織化学
,
HER2
,
PD-L1
Keyword:
コンパニオン診断薬
,
免疫組織化学
,
HER2
,
PD-L1
pp.1040-1044
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048514200690101040
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はじめに
コンパニオン診断薬(companion diagnostics:CDx)は,分子標的治療薬の適応となる患者を識別するために用いられる診断薬である.CDxは,腫瘍細胞の分子特性を評価し,適切な治療法を選択するうえで重要な役割を果たしている.主な技術として,タンパク質の発現を確認する免疫組織化学(immunohistochemistry:IHC)や,遺伝子異常を検出するISH(in situ hybridization),網羅的遺伝子解析を行う包括的ゲノムプロファイリング検査などが挙げられる.現在,IHCによるCDxの代表的な例として,HER2(human epidermal growth factor receptor 2)とPD-L1(programmed death-ligand 1)が挙げられる.
本稿では,これらバイオマーカーについて,臨床的意義,IHCの測定法と判定基準,染色上の注意点などについて解説する.

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