増大号 サッと読めてパッとわかる! 感染症診断メモ。
1章 免疫不全関連感染症
2.臓器・体腔のカポジ肉腫が鑑別に挙がったとき,病理組織学的にどのような所見の確認が必要でしょうか? 他の疾患との鑑別上のポイントについても教えてください
峰 宗太郎
1
1国立感染症研究所感染病理部
キーワード:
ヒトヘルペスウイルス8型
,
HHV-8
,
カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス
,
KSHV
,
LANA-1
,
ヒト免疫不全ウイルス感染
,
HIV感染
,
血管肉腫
Keyword:
ヒトヘルペスウイルス8型
,
HHV-8
,
カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス
,
KSHV
,
LANA-1
,
ヒト免疫不全ウイルス感染
,
HIV感染
,
血管肉腫
pp.307-310
発行日 2025年4月15日
Published Date 2025/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048514200690040307
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●鑑別診断にカポジ肉腫(KS)が挙がる状況においては,改めて病歴と臨床検査結果の確認が重要である.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染があるかどうか,ヒトヘルペスウイルス8型(HHV-8)の流行地出身ではないか,といった基本事項を確認する.
●病理組織学的には,ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色において紡錘形の細胞が増えているかどうか,血球やヘモジデリンが混在していないかどうかをみる.そのうえで,免疫組織化学(IHC)において,LANA-1が陽性であるかどうかによってHHV-8感染を確認する.
●病理組織学的にはHHV-8陽性の紡錘形細胞が確認できれば,鑑別疾患はほとんどなく診断が可能であるが,HE染色の所見のみの場合には,紡錘形細胞の増殖が主体となる他の腫瘍性疾患の鑑別を丁寧に行う.

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