書評
—平澤俊明(著) 高松 学(病理監修)—Dr. 平澤俊明の白熱講義実況中継 胃SEL/SMTの診断と治療
比企 直樹
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1北里大・上部消化管外科学
pp.1176
発行日 2025年10月20日
Published Date 2025/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570800101176
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本書は,これまで体系立てて語られることが少なかった胃SEL(subepithelial lesion)およびSMT(submucosal tumor)の診断と治療に関する初めての本格的な教科書と言っても過言ではありません.胃SEL/SMTは粘膜下に潜む病変であるため,その診断はしばしば困難を極めます.加えて,適切な治療を選択し実施する上でも高い専門性が要求されます.本書では,こうした課題に対して,粘膜を切開したり,穿刺したりといった通常の診断法とは一線を画すアプローチが丁寧かつ具体的に解説されています.
胃SEL/SMTと一口に言っても,代表的なGIST(消化管間質腫瘍:gastrointestinal stromal tumor)だけでなく,場合によっては胃癌など多様な病変が含まれます.そのため,的確な診断が極めて重要となります.本書では,この多様な病変の特性を正確に把握し,診断に結び付けるための「実践的なコツ」を,著者である平澤俊明先生ならではの臨場感あふれる講義形式で学ぶことができます.このアプローチにより,経験の浅い医師から熟練した医師まで,誰でも胃SEL/SMTの正しい診断方法を習得できる構成となっています.

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