書評
「レジデントのための血液透析患者マネジメント」―門川俊明 著
柏原 直樹
1,2
1川崎医科大学・腎臓・高血圧内科学
2川崎医科大学レジデント教育委員会
pp.41
発行日 2012年1月20日
Published Date 2012/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102588
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いまや血液透析療法は専門医の手に委ねるべき特殊なものではない。透析患者の数は増加の一途をたどっており,専門性のいかんにかかわらず,レジデントはさまざまな診療現場で血液透析患者の診療に携わることを避けては通れない。主病が別であっても受け持った患者が透析中であったり,重症化した際に血液浄化療法を余儀なくされることもしばしばである。
透析患者を受け持った途端に,具体的な透析スケジュール,食事内容,合併する貧血の管理などに直面することになる。不幸にして透析療法の実際は,学生時代にはほとんど教えられていない。さあ,どうするか。取るべき方法は,①専門医・指導医の指導を仰ぐ,②書物を読む,のいずれかである。しかし,身近に専門医をみつけることができないことも多く,また自ら基本がわかっていないと,適切な指導を受けることすらままならない。書店に並ぶ血液透析の本は専門医を対象に書かれたものが大半であり,大部に過ぎる。まにあわない。
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