書評
—井上貴昭,岡田真介,濵本周造(著)—尿路結石症の外科的治療
宮原 誠
1
1入間川病院泌尿器科
pp.776
発行日 2025年7月20日
Published Date 2025/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570800070776
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本書は尿路結石治療に携わる全ての医療者(医師,看護師,臨床工学士,放射線技師)へ,確かなエビデンスと実践的技術の解説および提供を目的とした書である.著者の三氏は,尿路結石治療を現役でけん引する誰もが認めるエキスパートでありながら,謙虚にかつ貪欲により良き治療をめざし常にディスカッションを重ね,現場にフィードバックし,日本に海外に情報発信する素晴らしき医師たちである.それ故に本書は実臨床,治療戦略,患者管理に極めて有用かつ実践的な内容で構成されている.
本書は「基礎知識」,「治療の実際」,「Case Discussion」の三部で構成されており,それぞれがとてもユニークである.まず第Ⅰ部の「基礎知識」の内容が必要十分を究めている.他書のような無駄なうんちくは全くなく,しっかり網羅かつ伝わる文章・写真で,これ以上簡潔に伝えることは無理であろうという解説である.また,「術前の感染マネジメント」を基礎知識に入れており,患者への畏敬の念を感じた.

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