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あとがき
遠藤 格
pp.784
発行日 2019年6月20日
Published Date 2019/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212520
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外科医になりたての頃,先輩に頼まれていろいろな病院に当直に行きました.苦労したこと,驚いたこと,などなど今となっては懐かしい思い出です.横浜には松島病院という全国的に有名な肛門疾患専門の病院があります.肛門疾患だから急患は来ないと言われ,のほほんとした気持ちで当直に行っていました.病院の最上階にある当直室からの景色は最高に美しく,ベッドも綺麗だし,食事も美味しい素晴らしい当直でした.私の恩師は土屋周二先生で肛門直腸疾患に多くの業績をお持ちです.ですから当時の私も,門下生として肛門の知識は耳学問ですがある程度あるものと思っていたのです.ところがあるとき,術後に出血している患者さんがいると看護師さんからコールがあり,結構激しく出血していたので,やむなく常勤の先生に来ていただきました.まあ外科医1年目なのだからと自分を慰めましたが,それでも自分の力不足に悔しい思いをしました.肛門疾患には,実際にはわからないことが沢山あるのだと思い知らされたのを記憶しています.本特集は,久々に肛門の勉強をしたくなり組ませていただきました.エキスパートの方に原稿をお願いしたところ,皆さんご快諾くださいました.ご多忙のところ素晴らしい原稿を作成していただき,この場を借りて感謝申し上げます.本特集号が読者の皆さんのお役に立てましたら幸いです.
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