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あとがき
遠藤 格
pp.1518
発行日 2019年12月20日
Published Date 2019/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212796
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今回の特集はいかがでしたでしょうか.『手術記事の書き方』という類書は数えきれないほど存在します.しかし不思議なもので,同じような本を読んでも決して同じではありません.類書とは各術式の著者が異なりますので,同じ術式でも切り口がこれほど異なるのかと,逆に面白く感じます.たとえれば,同じ曲を異なる歌手が歌うようなものでしょうか.歌い手によって全く別の曲に聴こえることもあるように,この手の本は何度読んでも面白いと思います.
当然のことですが,オペ記事は術者が見えているものを書きます.見えていないものは書けません.読者の皆さんがいつも書いているオペ記事とどこが異なるのか,じっくりと比べてください.手術記事の図は写真とは異なるので,写実的である必要はありません.3Dの臓器を2Dの紙の上に落とし込むには工夫が必要です.デフォルメが上手い人は手術も上手なのだと思います.書き方には,どのような道具(鉛筆,万年筆,タブレット,アプリetc)を使用するかだけでなく,いつ書くか,どのシーンを書くか,そんなことを高度技能専門医の先生方に教えていただきたい,そう思ったのが本特集を組んだきっかけです.
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