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特集 プレハビリテーションの時代—回復力を最大化する術前戦略
ここまでわかったプレハビリテーションの効果
Understanding the effects of prehabilitation: a summary of current findings
佐藤 眞理子
1
,
川口 昌彦
2
Mariko Sato
1
,
Masahiko Kawaguchi
2
1奈良県立医科大学大学院医学研究科博士課程侵襲制御・生体管理医学
2奈良県立医科大学麻酔科学教室
1Graduate School of Medivine(Doctoral Course), Nara Medical University
2Department of Anesthesiology, Nara Medical University
キーワード:
術前介入
,
予備能向上
,
プレハビリテーションプログラム
Keyword:
術前介入
,
予備能向上
,
プレハビリテーションプログラム
pp.1093-1099
発行日 2025年11月10日
Published Date 2025/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698220530111093
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はじめに
入院や手術により患者の身体および認知機能は低下するため,術前にそれらを向上させる取り組みとして,栄養療法や運動療法を実施するプレハビリテーションが推奨されている1,2).そのなかでも,マルチモーダルなプレハビリテーションプログラムは,重篤な術後合併症の発生率を減少させ,術後の回復を最適化させることが報告されている3,4).また,プレハビリテーションは,侵襲度の大きな手術を受ける患者や,慢性疾患,サルコペニアなどの術前リスクが高い患者への取り組みが推奨されている.近年,がん患者のためのプレハビリテーションガイドラインでは,合併症の減少や回復を促進するだけでなく,生活の質(quality of life:QOL)を向上させ長期的な健康行動を促進することを支持している5).
本稿では,プログラム例,諸外国のエビデンス,本邦での研究の動向および術後の生活に及ぼす影響について概説する.

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