Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
フランク・オコナーの『ぼくのエディプス・コンプレクス』—父親と息子のライバル関係
高橋 正雄
1
1筑波大学
pp.424
発行日 2025年4月10日
Published Date 2025/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698220530040424
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1950年にアイルランドの作家フランク・オコナー(1903〜1966)が発表した『ぼくのエディプス・コンプレクス』(阿部公彦訳,岩波書店)は,主人公の少年と父親が母親の愛を争うというフロイトのいうエディプス・コンプレクスを主題にした短編である.
少年は第一次世界大戦の間,5歳になるまで父親とゆっくり過ごしたことはなく,「たまに会う父さんは別に嫌な感じではなかった」という.その頃の少年はむしろ父親が帰って来るのを「とても楽しみにしていた」のである.
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