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特集 障害者の進学・大学生活・留学
発達障害のある人の高等教育における支援
Support for students with developmental disabilities in higher education
藤原 あや
1
Aya Fujiwara
1
1福岡教育大学障害学生支援センター
1Office for Students with Disabilities, University of Teacher Education Fukuoka
キーワード:
発達障害
,
高等教育
,
支援
Keyword:
発達障害
,
高等教育
,
支援
pp.259-263
発行日 2025年3月10日
Published Date 2025/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698220530030259
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はじめに
発達障害は,何らかの特記すべき精神機能の特性が乳幼児期からみられ,その特性が成人期も残ることによって生活に支障を来すグループであり1),自閉スペクトラム症,注意欠如多動症,限局性学習症などが含まれる.その特性には,対人関係の調整機能不全,興味・行動のパターン化傾向,行動・衝動・注意の制御不全,読字・書字・計算のいずれかの機能不全,言語を中心としたコミュニケーション機能不全などがあり,その組み合わせは個々人によって異なる2).
2022年に実施された厚生労働省の調査によると,日本において医師から発達障害と診断された人は約87.2万人と推計され3),前回(2016年)の調査より2倍近く増加している.また,大学や短期大学などの高等教育機関においても発達障害のある学生の在籍者数は年々増加している.大学などにおいて発達障害が関係して生じる困りごとは多岐にわたり,学生のライフスタイルに一致して発生する4).
そこで本稿では,発達障害のある人の高等教育機関への進学,進学後の学修および生活,留学の各場面における困りごとや支援の概要,課題について整理する.

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