交見室
リアルワールドエビデンス創出の意義
勝岡 洋治
1
1大阪医科薬科大学
pp.1009
発行日 2025年10月20日
Published Date 2025/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038523930790111009
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「多くの実臨床家は診療ガイドラインを尊重し患者にエビデンスに基づく医療(EBM)を実現させようと日々努力している.一方,目の前にいる患者の病態や背景,人生観・死生観などさまざまであり,臨床の現場では必ずしもが診療ガイドライン通りの医療が実行されているわけではない.このような乖離はevidence practice gapといわれ,このギャップを理解し,必要に応じて埋めていくこそが実臨床家と患者の理想的な関係である.」(小林一雄 : 実臨床におけるリアルワールドエビデンス創出.慶應義塾医学部新聞,論壇,2025年第881号より)
「グローバルでの臨床試験では多くの施設が参加した多施設前向き二重盲検試験であり,最もエビデンスレベルは高いと考えられる.〈中略〉しかし,いくらエビデンスレベルが高いと言っても,そもそもその臨床試験が「実臨床」にどれだけ即している試験かということが一番問題となる.実臨床に即していない臨床試験の結果を実臨床に当てはめて治療を行うのは,かなりの注意が必要である」〔溝上敦 : CAB療法の再評価—日本独自の進展.泌尿器外科38(4) : 317-323,2025〕
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