連載 医療機関で起きる法的トラブルへの対処法・46
勤務医師の副業をどう考えるか
平野 双葉
1
1弁護士法人 色川法律事務所
pp.144-147
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038523770840020144
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■1 副業の自由と許可制
民間の病院の場合,副業を禁止または制限する法律上の規定はなく,副業は原則として自由と考えられています★1.職場の秩序維持などの観点から副業を許可制にすることは可能ですが,許可制の場合でも,副業を禁止または制限し得る例外的な事由に該当しない限り,不許可にはできないと解されています.すなわち,副業を禁止・制限し得るのは,例えば,以下のような場合に限られ,これらに該当する事情がなければ,労働者の希望に応じて原則副業を認める方向で検討することが望ましいとされています★2.
①労務提供上の支障がある場合
②業務上の秘密が漏洩する場合
③競業により自社の利益が害される場合
④自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合
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