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特集 Igスーパーファミリー:機能と病態
Ⅱ.発生,神経形成に関わるIgSF
統合失調症のシナプス自己抗体病態仮説
The synaptic autoantibody hypothesis of schizophrenia
塩飽 裕紀
1
Shiwaku Hiroki
1
1東京科学大学大学院精神行動医科学分野
キーワード:
統合失調症
,
自己抗体
,
NCAM1
,
NRXN1
Keyword:
統合失調症
,
自己抗体
,
NCAM1
,
NRXN1
pp.138-142
発行日 2026年4月15日
Published Date 2026/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037095310770020138
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神経疾患と免疫グロブリンスーパーファミリー(immunoglobulin superfamily;IgSF)の最も中核的な病態は自己免疫性脳炎(autoimmune encephalitis)である。神経系分子に対する自己抗体による脳炎として,抗NMDA受容体脳炎や抗GABA受容体脳炎などが報告されており,神経膜分子をはじめとして様々なシナプス・神経分子が抗原として見つかっている1)。自己免疫性脳炎の診断基準を表1に示す2)。
この診断基準から,中枢神経系で新規の炎症反応を検出されることはもちろんであるが,特に急性の精神症状にも注目されていることがよくわかる。表1の診断基準で疑われた自己免疫性脳炎は,更に自己抗体を検出することで抗NMDA受容体脳炎のように詳細な脳炎の診断がつけられる。自己免疫性脳炎の概念から派生して,幻覚・妄想といった精神病症状[“精神症状”が広く一般的に“精神”の症状であるのに対して,幻覚・妄想に関しては特に“精神病症状(psychosis)”の語があてられている]が急性に起こった場合,すなわち急性精神病において,自己抗体が原因となる場合の疾患概念として,自己免疫性精神病(autoimmune psychosis)の概念が提唱された。自己免疫性精神病の診断基準を表2に示す3)。

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