増大特集 ワクチン開発
Ⅴ.シナジー拠点(大阪大学)
宿主病原体相互作用:病原体による疾患発症機構と治療標的
荒瀬 尚
1,2
Arase Hisashi
1,2
1大阪大学微生物病研究所免疫化学分野
2大阪大学免疫学フロンティア研究センター免疫化学研究室
キーワード:
抑制性受容体
,
活性化受容体
,
免疫逃避機構
,
自己免疫疾患
Keyword:
抑制性受容体
,
活性化受容体
,
免疫逃避機構
,
自己免疫疾患
pp.466-467
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037095310760050466
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多くの病原体は,宿主分子を巧みに利用する多様な免疫逃避機構を有しており,これにより宿主の免疫応答を抑制する。したがって,病原体に対する効果的な免疫応答をワクチンによって誘導するためには,病原体と宿主分子の相互作用を分子レベルで理解することが極めて重要である。筆者らはこれまで宿主病原体相互作用の研究に取り組み,病原体の新たな免疫逃避機構の発見にとどまらず,ウイルス感染や自己免疫疾患の発症における新たな分子機構を解明してきた。本稿では,筆者らが明らかにしてきた知見を中心に,宿主病原体相互作用の最前線について概説する。
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