Japanese
English
実験講座
自分でつくる広視野2光子顕微鏡—テクニカルノート
Counstruction of a large field-of-view two-photon microscope
平 理一郎
1
Hira Riichiro
1
1東京科学大学大学院医歯学総合研究科細胞生理学分野
キーワード:
広視野2光子顕微鏡
,
自作顕微鏡
,
2光子カルシウムイメージング
,
スキャン光学系
Keyword:
広視野2光子顕微鏡
,
自作顕微鏡
,
2光子カルシウムイメージング
,
スキャン光学系
pp.275-282
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037095310760030275
- フリーアクセス
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 広視野2光子顕微鏡2-5)によるin vivoカルシウムイメージングは,2025年時点で最も多くの細胞活動を記録できる計測パラダイムである。本稿では筆者の留学先であるSpencer L. Smith研究室(カリフォルニア大学サンタバーバラ校)で開発されたカスタムの広視野2光子顕微鏡Diesel2p5)の組み立て方を概説する。筆者は2020年4月に帰国し,これを日本で組み上げたが,その際自分でつくらなければわからない細かいノウハウを蓄積することができた。本稿はそのテクニカルノートの一部で,実際に組み上げるときの要点をまとめている。現在,Diesel2pは世界に20台以上が稼働していると思われるが,この顕微鏡はシステム神経生理学実験の用途に過不足なく対応でき,安価かつ拡張性も高く,あらゆる面でよくできていると思う。その絶妙なバランスについても本稿で共有したい。また,Diesel2pを組み立てるノウハウは,一般的な2光子顕微鏡や,更に広い意味でカスタムの生物学用顕微鏡構築にも役立つはずであるため,幅広い読者の方に自作顕微鏡の事例として参考にしていただければ幸いである。

Copyright © 2025, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.