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特集 AIにより加速する生体分子デザイン
Ⅰ.生体分子デザインを支える計測・機械学習技術
タンパク質のフォールディング反応過程を予測する物理学理論
Physical theory for predicting protein folding
大岡 紘治
1
,
新井 宗仁
2
Ooka Koji
1
,
Arai Munehito
2
1東京大学教養学部附属教養教育高度化機構社会連携部門
2東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻生命環境科学系
キーワード:
タンパク質のフォールディング反応
,
自由エネルギー地形
,
統計物理学
,
ジスルフィド結合
Keyword:
タンパク質のフォールディング反応
,
自由エネルギー地形
,
統計物理学
,
ジスルフィド結合
pp.109-114
発行日 2025年4月15日
Published Date 2025/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037095310760020109
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生命現象の担い手であるタンパク質は,特定の形に折りたたまれる(フォールディングする)ことによって機能を発揮する。よってタンパク質のフォールディング反応機構の解明は,生命科学における最重要課題の一つである。
最近,AlphaFoldなどの深層学習モデルにより,タンパク質がとる特定の構造を正確に予測可能になったが,タンパク質がフォールディングするプロセスはAlphaFoldにも予測不可能である。現状ではフォールディング反応過程についての実験データが少ないため,その深層学習は困難だが,このような場合には物理学理論で予測することが有効である。物理学の観点では,タンパク質のフォールディング経路を示す“地図”(自由エネルギー地形)を描くことができれば,フォールディング反応機構を包括的に理解できる。
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