増刊号 眼科診療のピットフォールあるある—対応スキル爆上げのヒント
12.ロービジョン・遺伝性網膜疾患
黄斑ジストロフィ,AZOOR—眼底所見が乏しい場合は網膜電図が診断に有用!
小南 太郎
1
1名古屋大学大学院医学系研究科眼科学・感覚器障害制御学教室
キーワード:
オカルト黄斑ジストロフィ
,
急性帯状潜在性網膜外層症
,
AZOOR
Keyword:
オカルト黄斑ジストロフィ
,
急性帯状潜在性網膜外層症
,
AZOOR
pp.343-349
発行日 2025年10月30日
Published Date 2025/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037055790790110343
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はじめに
眼科受診時の主訴として,「見えにくい」などの視力低下は一般的なものだと思う。その原因検索を行う際に,細隙灯顕微鏡で角膜疾患・白内障,あるいは眼底検査で硝子体出血・黄斑変性などがわかれば,それらに準じて診療を行うことは決して難しいことではないだろう。しかしながら,検眼鏡的に異常所見が検出されず,視力低下の原因の特定に苦慮する患者に遭遇することがある。このような場合に力を発揮するのが網膜電図(electroretinogram:ERG)である。本稿では,検眼鏡や網膜光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)では一見異常がわかりにくく,ERGが診断に有用な疾患について概説する。

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