今月の表紙
急性網膜壊死
永野 幸一
1
,
大野 重昭
2
1北里大学眼科
2北海道大学大学院眼科学
pp.245
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102145
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患者は31歳,男性。右眼の充血と視力低下を主訴に当院を受診した。視力は右0.01(0.3×-13.50D()cyl-3.00D 10°),左0.03(1.2×-13.75D()cyl-1.00D 125°)であった。右眼の豚脂様角膜後面沈着物,前房炎症,強い硝子体混濁,動脈を中心とした血管炎,採血上は水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)IgM陽性であり,急性網膜壊死の疑いで入院した。
翌日からアシクロビル,リン酸ベタメタゾンナトリウムの点滴,アスピリン内服を開始した。その後,前房水,硝子体液よりVZVが検出され急性網膜壊死と診断した。入院8日目に周辺網膜剝離が出現し,超音波水晶体乳化吸引術(PEA)+眼内レンズ(IOL)+経毛様体扁平部硝子体切除術(PPV)+レーザー光凝固+シリコーンオイル置換+輪状締結術を施行した。
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