臨床検査のピットフォール
発作性上室性頻拍(PSVT)の種類と心電図判読の注意点
谷澤 弘規
1
1JA愛知厚生連安城更生病院臨床検査室
pp.1206-1209
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530111206
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はじめに
発作性上室性頻拍(paroxysmal supraventricular tachycardia:PSVT)は,臨床でよく遭遇する頻脈疾患の1つである.PSVTは,房室結節リエントリー性頻拍(atrioventricular nodal reentrant tachycardia:AVNRT),房室リエントリー性頻拍(atrioventricular reentrant tachycardia:AVRT),心房頻拍(atrial tachycardia:AT)に大きく分類される.まれにではあるが,洞結節リエントリー性頻拍(sinus node reentrant tachycardia:SNRT)や不適切洞頻拍症候群(inappropriate sinus tachycardia:IST)も含まれる.通常,QRS幅が狭く(120ms未満),RR間隔が規則正しく,脈拍は100〜250bpmであることが多い.頻拍の鑑別はP波の位置,極性に注目することがポイントである.

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