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Lp(a)を今なぜ測定すべきなのか?
舟橋 紗耶華
1
,
片岡 有
2
1杏林大学医学部付属病院循環器内科
2国立循環器病研究センター心臓血管内科
pp.1090-1094
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530101090
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はじめに
動脈硬化や心血管イベント発症に直結しているリスクとして,LDLコレステロール(low density lipoprotein cholesterol:LDL-C)が最もよく知られている.LDL-Cの管理については,“the lower, the better”という考え方が有用であることが明らかとなっている1).しかし,LDL-Cを低下させても回避できないイベントリスク(=残余リスク)が存在しており,トリグリセリド(中性脂肪),高感度CRP(high sensitivity C-reactive protein:hs-CRP),リポタンパク(a)〔lipoprotein(a):Lp(a)〕,アポリポタンパクB(apolipoprotein B:apoB)などのバイオマーカーが知られている2).Lp(a)高値は,心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性心血管疾患(atherosclerotic cardiovascular disease:ASCVD)や大動脈弁狭窄症のリスク上昇と関連することが報告されており3,4),Lp(a)を低下させる治療薬の開発も進んできていることから,近年注目されているバイオマーカーの1つである.

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