臨床医からの質問に答える
小組織片の検体でも,病理検査の検体処理は可能でしょうか?
中村 祐司
1
1日本医科大学武蔵小杉病院病理診断室
pp.1046-1048
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530091046
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はじめに
病理検査室に提出される検体は,通常,採取後,可及的速やかにホルマリン固定液に浸漬される.固定後,切り出し,パラフィン浸透,パラフィンブロック化,薄切,染色し,鏡検可能なプレパラートとなる.切り出しとは,簡単にいえば包埋カセットに収めていく作業である.
包埋カセットには,薬液を浸透させるために0.5〜2.0mm大の穴が開いている.このため,この穴より小さい検体をそのまま包埋カセットに収めると,作業工程中に検体が流出してしまい1),コンタミネーションの原因になることは容易に想像できる.
このエラーを起こさないためには検体処理時に工夫が必要である.本稿では,小組織片が提出されても対応できる方法を紹介したい.

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