FOCUS
薬剤耐性菌のアウトブレイク時における保菌調査・環境調査—その重要性とポイント
四宮 聡
1
,
澤田 加奈
1
1箕面市立病院感染制御部
pp.52-53
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530010052
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はじめに:アウトブレイクとは
院内感染のアウトブレイクの定義は,“一定期間内に,同一病棟や同一医療機関といった一定の場所で発生した院内感染の集積が通常よりも高い状態”をいう.その基準は,“1例目の発見から4週間以内に,同一病棟において新規に同一菌種による感染症の発病症例が計3例以上特定された場合又は同一医療機関内で同一菌株と思われる感染症の発病症例(抗菌薬感受性パターンが類似した症例等)が計3例以上特定された場合”とされる1).また,特殊な薬剤耐性菌(表1)では,“保菌も含めて1例目の発見をもって,アウトブレイクに準じて厳重な感染対策を実施すること”が必要である1).特に後者は検出数が少ないため,注意が必要である.これらアウトブレイクを察知するためには,検体が採取され報告体制が構築されているという前提があることを忘れてはならない.
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