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特集 認知症診療の新時代—脳神経外科医が認知症を診る
Editorial
Editorial
中根 一
1
1帝京大学医学部附属溝口病院脳神経外科
pp.843
発行日 2025年9月10日
Published Date 2025/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126030530050843
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本邦は急速な高齢化に伴い,認知症患者数が増加の一途をたどっています.現在,国内の認知症患者は約700万人と推定され,さらなる増加が予想されています.また,認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)が治療対象となり,潜在的な患者数はさらに増大することが見込まれます.MCIは治療介入の重要なターゲットであり,早期発見と適切な治療が今後の課題となっています.このような背景のなか,認知症診療における早期診断の重要性はこれまで以上に高まっています.
特にアルツハイマー病においては,抗アミロイドβ抗体薬の登場が診療の転換点となりました.この新薬の上市により,病初期段階での診断の精度向上が求められており,病態理解や適切な治療方針の選択がこれまで以上に重要となっています.脳画像診断や髄液・血液検査の技術的進歩は,早期発見・診断に大きく貢献しており,こうした技術を駆使するための専門的知識と経験が必要とされます.

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