今月の主題 苦手感染症の克服
性感染症
Editorial
星 哲哉
1
1手稲渓仁会病院総合内科
pp.535
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103841
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本号のテーマは“苦手”感染症の克服であり,本章では性感染症を取り上げた.つまり,一部の医師を除き,ほとんどの医師が性感染症を“苦手”としているのである.苦手というと響きは軟らかいが,厳しい言い方をお許しいただければ性感染症の診断,対処法(治療法だけでなく,予防法,行政への報告方法も含む)を“知らない”という医師が多いのである.
性感染症はまず予防が大切である.性感染症を起こさせない,蔓延させないように可能な限り努力すべきである.残念なことに現行の医療保険制度では予防医療に対する保険適用はないが,公衆衛生も医師に委ねられた義務として積極的に啓発活動にかかわらなくてはならない.これには行政の協力が不可欠であるが,日本はまだシステムが十分にでき上がっていない.日本独自のシステムと問題について,われわれ医療者は認識する必要がある.これらの点に関して,第一線で教育・啓発活動にかかわっている堀氏の論文を参考にしていただきたい.
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