特集 看護教育のアカデミック・ハラスメント—明日から使える実践的な手がかり
声を上げられない学生には何が起きているのか—教育現場における権力構造と沈黙のメカニズム
堀田 亮
1
1岐阜大学保健管理センター
pp.594-598
発行日 2026年10月25日
Published Date 2026/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.004718950670050594
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はじめに
著者はこれまで本誌の第62巻11号の特集記事1)や医学書院「NEO」のセミナーで、看護教育の現場で起きるハラスメントについて論考してきました。これらはいずれもハラスメントの問題に対して、教育機関が「組織」として予防、対応するためのポイントを解説したものであり、加害者とならないために、加害者を生まないためにできること、すべきことをまとめたものでした。
一方で、本稿ではハラスメントの被害者、ここでは特に教育現場における「学生(=個人)」の視点からハラスメントの問題を見ていきたいと思います。被害者となる学生にはどのような心理が働いていて、その背景には何があるのでしょうか。私は長年、大学の保健管理センターでカウンセラーとして勤務し、教員との関係に悩む看護学生の相談にも数多く対応してきました。そこでの経験から、今回は5つの要因を取り上げ、学生の実際の訴え、それが生まれるメカニズムについてまとめていきたいと思います。言うまでもなく、ここで取り上げることが全てではありませんし、これらの要因はオーバーラップしていることも多分にあります。看護教育に携わる読者の皆さまの学生理解および学生対応力、支援力向上のお役に立てればと思います。

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