特集 肺炎の診断・診療エクセレンス
肺炎の治療をどうするか?
ウイルス性肺炎の治療をどうするか—新型コロナウイルス感染症(COVID-19)・インフルエンザを中心に
丸毛 聡
1
1田附興風会医学研究所北野病院呼吸器センター
キーワード:
新型コロナウイルス感染症
,
COVID-19
,
インフルエンザ
,
抗ウイルス薬
,
long COVID
Keyword:
新型コロナウイルス感染症
,
COVID-19
,
インフルエンザ
,
抗ウイルス薬
,
long COVID
pp.2272-2277
発行日 2025年12月10日
Published Date 2025/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990620132272
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Point
◎新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の登場でウイルス性肺炎治療は歴史的転換点を迎えた.従来の対症療法中心から,発症早期に抗ウイルス薬を投与し重症化を防ぐ「先制治療」が主流となり,治療目標も疾患の経過を変えることに移行した.
◎COVID-19治療戦略には国際差がある.欧米は重症化リスクの高い患者に入院・死亡回避を目的として治療を限定している.一方,本邦はリスクの低い患者にも症状緩和を目的とした抗ウイルス薬投与を選択肢としている.
◎インフルエンザ治療は,重症化リスクの高い患者への早期抗ウイルス薬投与を原則とする国際的な合意が形成されている.
◎急性期の抗ウイルス薬投与がCOVID-19後遺症(long COVID)の発症リスクを低減する可能性が示唆されている.治療の意義が短期的な重症化予防から,長期的な後遺症回避へと拡大する可能性があるが,エビデンスは未確立である.

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