書評
現代医療への新しいアプローチとなる画期的な書
藤沼 康樹
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1医療福祉生協連家庭医療学開発センター
pp.458-459
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002283700580050458
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医師の症例報告と看護の事例研究へ
医師にとって「事例研究」といえば,これまで客観的な症例報告が主流であった。医学的に興味深い症例について事実を淡々と記述し,担当医の感情や意思決定過程,患者とのやりとりなどは「主観的で普遍性がない」として排除されてきた。
しかし近年,総合診療や家庭医療の専門医認定では状況が変わりつつある。医師自身がどのように意思決定したか,チームはどう連携したか,自分の感情とどう向き合ったかといった記述が求められるようになった。つまり,医師として自身の医療実践の意味を表現することが重視され始めている。

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