特集 DNP(Doctor of Nursing Practice)が未来を切り拓く—「研究」と「実践」をつなぐ高度実践看護師の新たなチャレンジ
Column
DNPコースでの学びを通して現場の管理実践で何が変わったか
柳村 直子
1
1日本赤十字社医療センター附属乳児院
pp.281
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002283700580030281
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私は大学を卒業して20年目に修士課程に進学し,続けて博士課程DNPコースへ進んだ。進学と同時に看護師長となり,最初の授業であるリーダーシップ論では,「看護師長として,トップダウンではなく,リーダーシップを発揮して現場を変革していくこと」について考えさせられた。
高度実践看護師のリーダーシップには,心に描いていることを伝える力,未来を予想する力,つまり「ビジョン」が必要な要素だといわれている。DNPコースで取り組んだプロジェクト研究〔「妊婦健康診査における社会的ハイリスク妊婦スクリーニングシステム」(2019年)〕でもビジョンを伝える大切さを痛感し,また目標を実現するためには,特定の人だけではなく,多くの人(ステークホルダー)にきちんと説明することが必要であると学んだ。現在,看護師長として現場のマネジメントを行う中でも,自分の考えを伝え,また何か変更するときは必ず自分の言葉で全員に説明する努力をしている。自分が考えているちょっと先の未来,展望,野望も含め,「こうなりたい,こうしたい」ということも言葉にし,できるだけ伝えるようにしている。
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