書籍を検索します。雑誌文献を検索する際には「雑誌文献検索」を選択してください。

検索

カテゴリから選ぶ

第5版 物理学基礎 Web動画付

第5版 物理学基礎 Web動画付
本文を見る
  • 有料閲覧

筆頭著者 原 康夫 (著)

筑波大学名誉教授

学術図書出版社

電子版ISBN 978-4-7806-9014-9

電子版発売日 2023年12月15日

ページ数 384

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-7806-0950-9

印刷版発行年月 2021年10月

DOI https://doi.org/10.60309/9784780609509

書籍・雑誌概要

本書は理工系学部教育の基礎教育としての物理学の教科書・参考書である.
最近,理工系の教育に対して,実際的な問題の発見と解決に応用できる能力の養成が求められている.
物理学の建設は,速度,加速度,質量,仕事,エネルギー,温度,電荷,電流,電場,磁場,・・・などの物理量(概念)と分子,原子,電子などの実体を導入して自然現象を考察し,物理量の数学的関係である物理法則を発見するという過程を通じて行われてきた.この視点に立って物理学を学ぶことは,物理学の知識を単に修得するだけでなく,物理学的な見方,考え方も学ぶことになる.
数学は,いろいろな現象の数理的な面を抽象することによって誕生し,発展してきた学問である.抽象的な数学の概念を理解するには,具体的な事例に関連して数学の概念を知ることが有効であり,数学の応用能力を養成するには,物理学的内容と使われている数学的手法を統合して学ぶことが重要であることは,物理学と数学の発展の歴史を振り返れば明らかである.
上記の2つの視点に立ち,物理学の基礎知識と応用能力が養成されるとともに,物理学における数学的方法も理解できるようになってほしいと願いつつ執筆したのが本書である.
本書の執筆に際しては,理工系学部の基礎物理教育の国際的な水準を十分に超える内容であるが,高校で物理の学習が不十分であったがやる気のある学生諸君であれば十分に理解できるよう,初等的事項から出発し,できるかぎり論理と数式の両面で平易に表現するよう努めた.説明は具体的な現象と結びつけて行い,物理学の有効性が実感できるように努めた.

物理学は観測事実に拠りどころを求めながら自然法則を追求する学問です.そこで動画制作者が『第5版 物理学基礎』のために作製した「ポイントとなる法則や現象を示す実験」の動画とリンクした『第5版 物理学基礎Web動画付』をお届けすることになりました.
本文中の▶マークが付けられた約70 の事項について,その内容に関連した実験動画が,そばのQRコードから閲覧できるようになっています.これらの動画のなかには,本文の記述を定性的に実際の現象で示すものや,法則やそこから計算で導かれる結果を,定量的な計測によって示しているものなどがあります.センサを使用したPC計測による実験も含まれています.物理現象を概念的に理解するには,さまざまに思いをめぐらす必要があります.その節目に確証を与えてくれるのが実験です.またそこから新たな疑問がわくこともあります.これらの実験動画が物理学の学習をより興味深いものにすることの一助になればと期待しています.

目次

第0章 序
0.1 物理学とは
0.2 空間と時間
0.3 物理量と物理法則
0.4 単位
0.5 測定値の不確かさと有効数字
第1章 運動
1.1 直線運動の速度,加速度と微分
1.2 一般の運動の速度と加速度
1.3 等速円運動9
演習問題1
第2章 運動の法則と力の法則
2.1 運動の法則
2.2 いろいろな力と力の法則
演習問題2
第3章 力と運動
3.1 微分方程式と積分
3.2 簡単な微分方程式の解
演習問題3
第4章 振動
4.1 単振動
4.2 減衰振動と強制振動❖
演習問題4
第5章 仕事とエネルギー
5.1 仕事と仕事率
5.2 仕事とエネルギー
5.3 エネルギー保存則
演習問題5
第6章 質点の角運動量と回転運動の法則
6.1 質点の回転運動――平面運動の場合
演習問題6
第7章 質点系の力学
7.1 質点系と剛体の重心
7.2 質点系の運動
7.3 質点系の角運動量❖
演習問題7
第8章 剛体の力学
8.1 剛体の運動方程式と剛体のつり合い
8.2 固定軸のまわりの剛体の回転運動と慣性モーメント
8.3 剛体の平面運動
演習問題8
第9章 慣性力
9.1 非慣性系と慣性力(見かけの力)
9.2 遠心力とコリオリの力
演習問題9
第10章 弾性体の力学
10.1 応力
10.2 弾性定数
演習問題10
第11章 流体の力学
11.1 静止流体中の圧力
11.2 ベルヌーイの法則
11.3 揚力
11.4 粘性抵抗と慣性抵抗
演習問題11
第12章 波動
12.1 波の性質
12.2 波動方程式と波の速さ❖
12.3 波の重ね合わせの原理と干渉
12.4 波の反射と屈折
12.5 定在波
12.6 音波
12.7 群速度,うなり
演習問題12
第13章 光
13.1 光の反射と屈折
13.2 光波の回折と干渉
演習問題13
第14章 熱
14.1 熱と温度
14.2 熱の移動
14.3 気体の分子運動論
14.4 ファン・デル・ワールスの状態方程式
演習問題14
第15章 熱力学
15.1 熱力学の第1法則
15.2 理想気体のモル熱容量
15.3 熱力学の第2法則
15.4 熱機関とその効率
15.5 エントロピー増大の原理
15.6 熱力学的現象の進む方向――等温過程と自由エネルギー
演習問題15
第16章 真空中の静電場
16.1 電荷と電荷保存則
16.2 クーロンの法則
16.3 電場
16.4 電場のガウスの法則とその応用
16.5 電位
演習問題16
第17章 導体と静電場
17.1 導体と電場
17.2 キャパシター
演習問題17
第18章 誘電体と静電場
18.1 誘電体と分極
演習問題18
第19章 電流
19.1 電流と起電力
19.2 オームの法則
19.3 直流回路
19.4 電流と仕事
19.5 CR回路
演習問題19
第20章 電流と磁場
20.1 磁場Bのガウスの法則
20.2 電流のつくる磁場
20.3 荷電粒子に作用する力(ローレンツ力)
20.4 電流に作用する力
20.5 電流の間に作用する力
20.6 磁性体がある場合の磁場❖
演習問題20
第21章 電磁誘導
21.1 電磁誘導の発見
21.2 電磁誘導の法則
21.3 磁場は変化せず
コイルが運動する場合の電磁誘導
21.4 自己誘導と相互誘導
21.5 交流
演習問題21 
第22章 マクスウェル方程式と電磁波
22.1 マクスウェル方程式
22.2 電磁波
22.3 電磁場
演習問題22
第23章 相対性理論
23.1 マイケルソン-モーリーの実験
23.2 特殊相対性理論
23.3 動いている時計の遅れと動いている棒の収縮
23.4 相対性理論と力学
23.5 電磁場と座標系
演習問題23
第24章 原子物理学
24.1 原子の構造
24.2 光の二重性
24.3 電子の二重性
24.4 不確定性関係
24.5 原子の定常状態と光の線スペクトル
24.6 元素の周期律
24.7 金属,絶縁体,半導体
24.8 半導体の応用
24.9 レーザー
演習問題24
第25章 原子核と素粒子
25.1 原子核の構成
25.2 原子核の結合エネルギー
25.3 原子核の崩壊と放射線
25.4 核エネルギー
25.5 素粒子
演習問題25
付録数学公式集
A.1 三角関数の性質
A.2 指数関数
A.3 自然対数log_xの性質
A.4 原始関数と導関数
A.5 ベクトルの公式

コラム
相似則
物理学の創始者ガリレオ(1564-1642年)
人間は筋力で1日にどのくらいの仕事ができるか?
自動車のしたがう運動方程式
走っている自転車はなぜ倒れない
プランクの法則の発見と現代物理学の誕生
電磁気学の基礎を築いたフランクリンとファラデー
放射光
電池から豆電球(抵抗器)へのエネルギー輸送路―ポインティングのベクトル―
トンネル効果とエサキダイオード
小柴昌俊博士とニュートリノ天体物理学
ニュートリノが微小な質量をもつことを示した梶田隆章博士
朝永振一郎博士と湯川秀樹博士

書籍・雑誌を共有

ツール

お気に入り登録
書誌情報ダウンロード

関連書籍