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そのモヤモヤがスーッと解消される 発達障害・グレーゾーンを抱える医師の生存戦略

そのモヤモヤがスーッと解消される 発達障害・グレーゾーンを抱える医師の生存戦略
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和田 琢 (著)

あずまリウマチ・内科クリニック

金芳堂

電子版ISBN

電子版発売日 2025年12月3日

ページ数 192

判型 A5

印刷版ISBN 978-4-7653-2071-9

印刷版発行年月 2025年11月

DOI https://doi.org/10.50910/9784765320719

書籍・雑誌概要

発達障害者の多くは社会に出た際、困難に直面します。医師もそれは同じで、研修医・専攻医終了後、卒後10年ほどまで、さまざまな問題と葛藤し、つまずき、悩んでいます。そこで、発達障害当事者である著者が、内科医として働く中で、日々どのように感じ、実際にどのように適応してきたか、働き方を改善し現在の悩みとどう向き合っているか、特性に合わせた働き方のモデルとして心に寄り添う温かい内容の一冊です。

目次

はじめに

第1章 自閉スペクトラム症の特性と医療現場での適応
1-1 自閉スペクトラム症とは何か
ASDにおける基本的な特性
医療現場でASD特性が問題となる場面
「適性がない」わけではない〜ASD特性が強みになる場面もある

1-2 医療現場におけるコミュニケーションの壁
ASD特性が医療現場でのコミュニケーションに与える影響
医療現場で直面する具体的な壁

1-3 「適性がない」と決めつけるのは早い〜特性が活かせる場面は意外と多い
「苦手」があっても成り立つのがチーム医療
こだわりや慎重さが「安全な医療」を支える
医療現場で「論理性」、「粘り強さ」が生きる場面は多い
「特性を自覚すること」から始まる適応の工夫
向き・不向きを「白黒」で判断しない

1-4 自分の特性を受け入れることの重要性
「受け入れる」とは「諦める」ことではない
自己否定、他者否定を乗り越えるまでの道のり
「自己受容」は変化の起点
特性と「生きづらさ」は切り離せる
周囲との違いを受け入れ、尊重する姿勢へ
「診断」はラベルではなくツール

1-5 苦難の連続〜それでも医師として生きていくために必要なこと
周囲の期待と現実のギャップ
正論が通じない世界でどう生きるか
傾聴・共感・受容の姿勢が支える医師としての在り方
変えるべきは「信念」ではなく「伝え方」
支えてくれる人の存在が希望になる
「うまくやる」ことより「続ける」こと
自分のなかで絶対的な武器を持つこと

1-6 コミュニケーションに難があるからこそチーム医療を大事にする
チームに支えられて初めて成り立つ医療
苦手なことを「任せる」勇気
コミュニケーション能力は「質」より「信頼」が鍵
自分の「居場所」としてのチーム
自分がいることで、チームが多様になる

1-7 心と体の健康を保つための習慣
「頑張りすぎない」ことを意識する
感覚過敏へのセルフケア
情報整理とメンタルの安定を両立させる「記述」
食事と睡眠は「自律性」で管理する
「健康的な人間関係」を見極める力を持つ
精神的に病んだら適切な部署に相談する

第2章 人生を詰まないために、武器を磨く勉強法と自己管理術
2-1 人生を詰まないために必要な基本戦略
医学部の成績に「短期間で一発逆転」はほぼ存在しない
「テストの点が良いこと」と「仕事ができること」は別物
「苦手を直す」ではなく「苦手を避ける準備をする」
「人生の出口」は1つではない
「悪友」との付き合いが未来を狂わせることもある
「やらないと損」より「やったら終わり」の意識を

2-2 学生の間に身につけたい自己管理術
時間の見積もりとスケジューリングにゆとりを持つ
自己否定のループから抜ける基準を持つ
「集中できないときにやるべき軽作業リスト」を作っておく
食事・睡眠・運動の「最低ライン」を決めておく
学生時代から禁煙のすすめ

2-3 欠点をカバーすべく勉強を特技とする
「評価されやすい力」に集中する
知識の積み重ねは、裏切らない
「知識がある」ということは、人を助けられる力になる
勉強を特技にするために必要な習慣
教科書と参考書、そして「理解」の重要性
「調べる」より「思い出す」力を育てる
「私は勉強が得意だ」と言っていい

2-4 講義や試験との戦略的な向き合い方
この講義はきっと役に立つはずだと考える習慣
試験は合格点ギリギリではなく可能な限り高得点を目指す
現場の医師からの「生の言葉」が将来活きてくる
自分に合った学び方を見つけることの重要性
カンニングはバレている

2-5 卒業試験、国家試験、その後の過ごし方
卒試は「医師としての最低限」を確認する場
国家試験で重要なことは「解ける問題を落とさない」こと
国家試験後は「最後の自由時間」……でも遊ぶより大事なことがある
医師になってからのほうが「学び続ける力」が問われる
遊びと学びのバランスを考えよう

第3章 医療現場での生存戦略 コミュニケーションとチームワーク
3-1 「世間知らず」を克服する方法
「常識=多数派の経験則」であると知る
まずは「知らない」と認めることが第一歩
「空気を読む」代わりに「型」を覚える
相談相手・フィードバック役を持つ
「社会常識」の基礎知識は本や動画から学ぶこともできる
「完璧な常識人」にならなくていい

3-2 グループワーク、病棟実習の攻略法
グループワークでの苦手意識を乗り越える
病棟実習での「居場所のなさ」を克服する
看護師の業務を妨げないのが最優先
清潔感のある身だしなみを整える
最低限の挨拶から始めよう
指導医との距離感がつかめないときは?
実習を「診療の練習場」として活用する
グループワークを通じてASD特性を「強み」に変える

3-3 誰でもできる実習でのコミュニケーション術
「定型文」を使う勇気を持つ
「一言プラス」で印象は変わる
「観察」と「記録」で信頼を得る
いざというときの「メモ」を持っておく
患者さんとの関わり方のコツ
実習でのコミュニケーションは「訓練の場」ととらえる

3-4 マッチングは必要か?〜研修先選びで注意すべきこと
「外に出る不安」はあって当然
手技の多さは本当に大事か?
一番大事なのは「相談できる環境」
地方市中病院での研修で注意すべきこと
研修先選びは「人生設計」の一部
自分の価値観に合った選択を

3-5 研修医としての仕事の心構えと自己管理
「絶対的な正解がない世界」に飛び込む覚悟
責任感と「一人で抱えすぎない心構え」の両立
朝の段取りが1日を左右する
タスク管理は「視覚化」がポイント
「休むこと」も自己管理のうち
小さな成功体験を積み重ねる
自己理解が「自分の守り方」を教えてくれる

3-6 指導医との関係の築き方
指導医の「教え方」は千差万別
最初の印象が大事
わからないことは素直に聞く
フィードバックは財産
指導医も「忙しい」ことを理解する
最後は「感謝の言葉」
うまくいかないときの対応策を持つ

3-7 看護師などスタッフとの関係の築き方
スタッフは「協力者」であり「教育者」でもある
第一印象は非常に大切
スタッフは研修医の行動をよく見ている
「お願いします」と「ありがとうございます」の習慣
指示出しは素早く、丁寧かつ明確に
スタッフからの注意をどう受け取るか
信頼される研修医の共通点
ASD傾向のある人へのアドバイス

3-8 患者さんとのコミュニケーション術
患者さんは「話を聞いてほしい」と思っている
「伝える」ではなく「伝わる」ことが大事
「話し方」よりも「話す内容」と「態度」が重要
「説明を省かない努力」と「患者の立場に立つ視点」
患者さんの「非言語的サイン」を見逃さない
患者さんが怒っているときには一人で抱え込まない
患者さんからの学びを大切にする

3-9 医療ミスを防ぐために必要なこと
「ミスは誰にでも起こる」という前提を持つ
ダブルチェックの習慣をつける
疲れているときほど慎重に
ルーチンを視覚的に活用し、「抜け・漏れ」を減らす
「わからないこと」はすぐ確認するクセをつける
指導医や先輩との情報共有を怠らない
インシデント、ヒヤリ・ハットを「成長の材料」に変える
自己分析とストレス管理もミス防止につながる

第4章 デジタル時代の生存戦略
4-1 医師としてSNSを活用する際の具体例
SNSは「双方向性のある一方通行」
SNSで実現できる医師の「情報発信」

4-2 キャリア破綻を防ぐ〜SNSで絶対にやってはいけないこと
患者情報に関する発言(守秘義務違反)
医療相談にあたる投稿
政治的・社会的な過激発言(誤解・炎上の火種)
医療界内の批判・暴露(業界信頼の低下)
軽率な言葉・不適切な表現(共感されない発信)
匿名性への過信(身バレのリスク)

4-3 生成AIを武器にする方法
生成AIは「頭の中の補助線」
ASD特性との相性が良い理由
医療現場での活用例
注意すべき点とリスク管理
「AIを使うこと=ずるい」ではない

4-4 初学者の段階から生成AIを使用することの問題点
「自分の頭で考える力」が育ちにくい
「間違いを見抜く力」が育たない
「文章を練る」経験が積めなくなる
「見かけの完成度」に騙される
「評価の基準」が曖昧になる
本来の疑問に向き合わなくなる

第5章 持続可能な医師人生のために
5-1 医師としての責任感を持つ心構え
「責任感」はプレッシャーではなく、プロ意識の源
「遅刻」と「約束」を軽視する人は信頼を失う
「できることだけ約束する」という責任感
「わからないことを放置しない」は、もっとも基本的な責任感
「自分一人で抱えすぎない」ことも責任の一つ
判断する力は「経験」と「準備」に支えられる
患者さんの「日常生活」まで視野に入れる
「責任を果たすために、自分を守る」
責任感は「育まれる」もの

5-2 チーム医療における役割の見つけ方
「中心人物」でなくていい—「自分にできること」を積み重ねる
チームにおける「隙間」を見つけて埋める力
医師の立場を「良い方向」に使いこなす
「信頼関係は時間をかけて作る」ことを知る
チーム医療における「自分のなかでの強み」を見つける

5-3 研修終了後に陥りがちなポイント
「もう新人じゃない」というプレッシャー
自分の限界を見誤ってしまう
「自分はできる」と思い込んでしまう過信のリスク
社会的背景に基づく先入観や偏見
Shared Decision Makingの欠如
タメ口や不適切な言葉遣い
人間関係の難しさが増す
自己流にこだわりすぎてしまう
「自分だけができていない」と感じやすい
孤独になりやすいフェーズであることを理解する
自己研鑽のバランスを見失わない

5-4 自分の立場を理解すること
自分の立場を客観視する
「責任」と「裁量」はイコールではない
「後輩から見られている」自覚を持つ
「自分らしさ」と「組織のルール」のバランス
自分の立場を活かして「チームの潤滑油」になる
「謙虚さ」と「自律性」を両立させる

5-5 周囲のサポートを得る方法
「助けを求める力」は弱さではなく、成熟の証
サポートは「関係性の中」から生まれる
上司・先輩との距離感を適切に保つ
ピアサポートの力を活用する
院内リソース(相談窓口・カウンセリングなど)を知っておく
ASD傾向がある場合の工夫
自分が「サポートする側」にもなる

5-6 その後のキャリアプラン〜適性を考慮しつつ研鑽も積みたい
自分の「適性」を理解することがキャリア設計の出発点
「直美(美容外科へ直進)」のリスク
キャリアの再設計と見直しの習慣を持つ
適性と研鑽の両立を目指す

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