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症候からわかる irAE逆引きマニュアル

症候からわかる irAE逆引きマニュアル
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野口 哲男(呼吸器ドクターN) (著)

市立長浜病院呼吸器内科

金芳堂

電子版ISBN

電子版発売日 2025年12月3日

ページ数 183

判型 A5

印刷版ISBN 978-4-7653-2070-2

印刷版発行年月 2025年11月

DOI https://doi.org/10.50910/9784765320702

書籍・雑誌概要

本書は、近年注目を集めている免疫チェックポイント阻害薬(ICI)に伴って発現する副作用、「免疫関連有害事象(irAE)」への実践的な対応法をまとめた、医療従事者向けの実用書です。ICIの登場によりがん治療は大きく進展しましたが、それに伴い、従来とは異なる副作用であるirAEへの理解と適切な対応が求められるようになっています。

著者は、経験の浅い医師や看護師をはじめとするすべての医療従事者がirAEに自信を持って対応できるよう、「連携体制の構築」「患者教育の徹底」、そして著者が独自に作成した「irAE逆引きマニュアル」の3本柱を提唱しています。

なかでも「irAE逆引きマニュアル」は、症状から疑われる疾患を迅速に確認できる構成となっており、診断・検査・治療の流れをワンストップで把握できる実用的なツールです。現場での即応力を高める一助となるでしょう。

また、irAEの治療には多様かつ専門的な対応が必要とされるため、各診療科やメディカルスタッフとの密な連携が不可欠です。さらに、患者さんやご家族への丁寧な説明の重要性にも焦点を当て、チーム医療における各職種の役割についても紹介しています。

目次

一般略語
抗がん薬略語

第1章 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)と免疫関連有害事象(irAE)概論
①肺がん治療における免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の位置づけ
②ICIの作用機序
③免疫関連有害事象(irAE)
④irAEの治療(ステロイド)
⑤irAEの治療(免疫抑制薬)
⑥irAE対策の3つの柱

第2章 irAE逆引きマニュアル
①irAE逆引きマニュアルの全体像
②irAEの8つの症状とその原因疾患
③irAEを疑う際の検査(ICI使用前・投与中・終了後)
④超緊急対応を要するirAE
⑤緊急対応を要するirAE
⑥準緊急対応を要するirAE

第3章 irAEケースレポート
case① 副腎障害+甲状腺機能低下症
case② 大腸炎・下痢
case③ 間質性肺疾患(ILD)
case④ 重症筋無力症
case⑤ だるさと頻脈で救急受診
case⑥ サイトカイン放出症候群(CRS)

第4章 臨床的疑問(CQ)
CQ① irAEが起こるとICIの効果が期待される?
CQ② ICIの効果に影響する因子は?
CQ③ ICIの効果の特徴(long tail)は?
CQ④ TPSが陰性でも、抗PD-1抗体/抗PD-L1抗体の効果があるのはなぜ?
CQ⑤ ICIはいつまで続ける必要がある?
CQ⑥ PS不良患者へのICIの投与は?
CQ⑦ 抗PD-1抗体と抗PD-L1抗体の違いは?
CQ⑧ ICIと血管新生阻害薬の併用は?

付録 肺がんで使うICI

コラム
① 「ニブ」と「マブ」
② pseudo-progression(偽病勢進行)
③ TMBとMSI
④ 外来化学療法室のベッド予約は困難
⑤ 介入試験と観察研究
⑥ ICIの効果と腸内細菌
⑦ 22C3抗体とSP142抗体