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ブラック・ジャックの解釈学 内科医の視点

ブラック・ジャックの解釈学 内科医の視点
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筆頭著者 國松 淳和 (著)

南多摩病院総合内科

金芳堂

電子版ISBN

電子版発売日 2021年3月22日

ページ数 312

判型 四六

印刷版ISBN 978-4-7653-1828-0

印刷版発行年月 2020年4月

DOI https://doi.org/10.50910/9784765318280

書籍・雑誌概要

■なんと言おうと医学書である!

不朽の名作『ブラック・ジャック』(1973-1983)は天才的技術をもった外科医を主人公にした漫画であり、顔の形成や臓器移植などの外科技術が強調されがちだが、医師免許をもつ手塚治虫が描いていることもあり、内科疾患の描写や患者描写もまた真に迫っている。そのため、40年間の医学の進歩による疾患概念の深化に基づけば、作中のブラック・ジャックの診断とは異なる診断が可能であるほどである。

そこで本書では23の『ブラック・ジャック』のエピソードをとりあげ、全12章で、

・難病・病態を再検討し、現代医学から再診断する
・難題(難病・悪条件)に取り組むプロフェッショナリズムのお手本としてのブラック・ジャックを拾い上げる

という試みに、不明熱や不定愁訴、仮病など診断困難な領域において医学界に新しい風を吹き込んだ國松淳和先生が挑戦した。

これまでも、ブラック・ジャックの診断をもとに、別の手技や治療法を再提案するファンブックはあったが、本書は手塚の描写を可能限り真であるとして、BJ世界を徹底的に探求した医学書だ。病跡学のように当時の検査水準や疾患分類を検討することで、その結果創作上の架空症例と一般に思われてきたものも、ぎりぎりのところまで踏み込めば現実の疾患との照合ができることに読者は驚くだろう。

僅かな手がかりと症例報告やエビデンスから診断をひきだすという診断学の入門書でもあり、医学生レベルの知識があれば十分に診断の醍醐味を理解できる。

本書ではこうした試みをを臨床病跡学あるいは解釈学的な試みとして実践し、医学書『ブラック・ジャック』を深く掘り下げたものなのだ。

目次


長い長いまえがき

1.ピノコ誕生の裏に見えた真実!?

コラム1:悪霊が乗り移ったのか?

2.本間先生のかたきをうつ :“本間血腫”の正体に迫る

コラム2:甚大な誤り?

3.ブラックジャックがわからなかった“心ブロック”の正体は?

コラム3:Happy heart syndromeの何がHappy?

4.手塚治虫がみた腎不全患者とは?
5.それでも残しておきたい臓器
6.救急救命医ブラック・ジャック

コラム4:働き方改革?

7.霊魂のせいか否か
8.獅子面病とブラックジャックの賭け
9.外科手術だけではない

コラム5:精神的加重?

10.難しい病気に負けないように
11.華の命と人の命
12.王道の分野だけではない

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