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呼吸機能検査ハンドブック
筆頭著者 日本呼吸器学会 肺生理専門委員会呼吸機能検査ハンドブック作成委員会 (編集)
メディカルレビュー社
電子版ISBN
電子版発売日 2024年12月9日
ページ数 108
判型 A4変型
印刷版ISBN 978-4-7792-2387-7
印刷版発行年月 2021年7月
書籍・雑誌概要
呼吸機能検査は,呼吸器疾患の診断,治療,経過,そして術前の評価に必要不可欠であり,呼吸器診療の根幹を成すものです。一方で,呼吸機能検査は理論や解釈が難解で,かつ被験者の努力に依存する側面があるため,十分に普及しているとは言えません。また,検査方法や結果の解釈が施設間あるいは医療者間で必ずしも一致しないという問題もあります。このような状況を改善するため,日本呼吸器学会肺生理専門委員会は「呼吸機能検査のいっそうの啓発と普及を図るとともに,その精度管理,測定方法,結果の解釈などについて医療従事者側のレベル向上を通じて,呼吸機能検査を必要とする患者の福祉に貢献する」という理念を掲げ,2004年に『呼吸機能検査ガイドライン』を発行しました。
十数年の歳月を経て,呼吸機能検査の重要性はますます増し,いっそうの普及と手技や評価の標準化が求められるようになりました。また,この間,2014年に日本呼吸器学会 肺生理専門委員会から「LMS法による日本人のスパイロメトリー新基準値」が報告され,2019年にはAmerican Thoracic Society/European Respiratory Societyから「Standardization of Spirometry 2019 Update」が発表されました。さらに,努力非依存的な検査方法である「オシロメトリー」も急速に普及しました。このような経緯から,『呼吸機能検査ガイドライン』の改訂の機運が高まりました。
この度,日本呼吸器学会 肺生理専門委員会では,『呼吸機能検査ハンドブック』と名称をリニューアルし,最新の手引書を作成しました。第1章から第7章までは,日常臨床で用いられるほとんどの呼吸機能検査を網羅し,項目は「用語の定義」,「測定原理」,「測定方法の実際」,「基準値と結果の解釈」,そして「機器の精度管理とメンテナンス」と実践に即したわかりやすい構成としました。さらに,第8章は「異常値を呈する疾患の特徴」とし,代表的な呼吸器疾患を「疾患概念」,「診断」,「呼吸機能の特徴」の順に解説しています。
『呼吸機能検査ハンドブック』は,呼吸器専門医のみならず,ご開業・病院勤務のプライマリー・ケアの先生や専門医,研修医,そして臨床検査技師,理学療法士,看護師など呼吸器診療に関わるすべての医療従事者において,標準的な実用書や入門書の役割を果たすと信じています。本書を検査室や診療室など座右に置いていただき,ご活用いただけたら嬉しく思います。
(花岡正幸「序文」より)
目次
◆目次
序 章:総論 呼吸機能検査の組み立て
第1章:スパイロメトリー
第2章:肺拡散能
第3章:機能的残気量(ガス希釈法)
第4章:ガス洗い出し法 1 回呼吸法+多呼吸法
第5章:体プレチスモグラフ法 機能的残気量(FRC)と気道抵抗(Raw)
第6章:オシロメトリー
第7章:その他
1. 気道過敏性・気道可逆性
2. 呼吸筋力測定
3. 運動負荷試験
4. 肺コンプライアンス
5. 換気応答
第8章:異常値を呈する疾患の特徴
1. 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
2. 気管支喘息
3. 喘息とCOPD の合併病態
4. 閉塞性細気管支炎(BO)
5. 特発性肺線維症(IPF)
6. 肺高血圧症
7. 神経筋疾患
8. 睡眠時無呼吸症候群(SAS)
9. 気腫合併肺線維症(CPFE)