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≪メディカのセミナー濃縮ライブシリーズ≫

Dr.阿南のABCDとキーワードで立ち向かう救急・急変

Dr.阿南のABCDとキーワードで立ち向かう救急・急変
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≪メディカのセミナー濃縮ライブシリーズ≫

筆頭著者 阿南 英明 (著)

藤沢市民病院副院長

メディカ出版

電子版ISBN

電子版発売日 2022年8月8日

ページ数 260

判型 A5

印刷版ISBN 978-4-8404-7892-2

印刷版発行年月 2022年8月

DOI https://doi.org/10.32284/9784840478922

書籍・雑誌概要

【「現場あるある」で見極め方がわかる!】メディカ出版の人気看護セミナー1日分のエッセンスを、話し言葉そのままに読みやすく再現!日常臨床で出会う「あるある事例」をベースに、まずはABCDアプローチを深堀り。さらに患者さんの訴え(キーワード)から病態や疾患を導き出すコツや、ドクターを動かす報告・相談の秘訣を伝授。「へー、そうなんだ~」と、すっと理解できるエッセンスが満載。

目次

・はじめに

■1時間目
どんな患者さんでもまずコレ!
ABCDアプローチ

●意識障害の人をみたらどうする?
具合の悪い人がいたら、何のチェックをする?どこに注目する?/そこでABCDアプローチ/とにかく「酸素、点滴、モニター」を準備!/バイタルサインは初期把握の基本!
●起き上がれない、体が動かない患者さん
疑うべきは脳卒中?/バイタルサインを冷静に読み解くと、本当の理由が見えてくる/救急隊員や前医の言葉はいったん疑ってかかろう/「急に」と「ずっと」の感覚は人それぞれ/高齢者は発熱で体が動かなくなる
●qSOFAで敗血症を素早く見抜く
たった3つの項目から敗血症が見つけられる/バイタルサインをとった時点で敗血症を見つけることもできる!/SOFAはICUで、qSOFAは救急外来でも一般病棟でも使われている
●医療現場における高齢者
いまの日本の病院は、入院も救急も高齢の患者さんばかり!/高齢者の症状は非典型で訴えは曖昧なことが多い/高齢患者さんの特徴/目に見える症状や疾患への対処だけで大丈夫?/訴えや身体所見よりも「とにかく検査」が現場の実情/整備が進められる「地域包括ケア病床」
●「お腹が痛い」は要注意
さまざまな診療科の可能性がある腹痛/お腹の痛みは範囲を広げてみておく/消化器疾患との鑑別をしっかりする/思春期の子どもには要注意!
●頻回に受診する高齢者
転倒と多発の肋骨骨折から何を考える?/まずは抗血小板薬、抗凝固薬の服用を確認/内臓などほかの部位は問題ない?/高齢者のケガは命に関わることが多い/話せていたのに意識障害になる「Talk and Deteriorate」は要注意!/“Think FAST”キャンペーン―抗血栓薬内服の患者さんへの対応/そもそも、なぜ繰り返すのか?─虐待の可能性
●意識を失ったものの、回復して問題なさそうな患者さん
「何かおかしい」バイタルサインは要注意!/気になる場合は、心電図やCTなど追加検査を/見逃せば致命的な肺梗塞/肺梗塞を見極めるにはDダイマーに注目!
●アルコール中毒で頻繁に運ばれてくる患者さん
バイタルサインに気になることがあればスルーしない!/意識障害にはAIUEOTIPSでじゅうたん爆撃/先入観は捨てること!
●1時間目のまとめ
まずはABCDを確認!/災害時のトリアージでもABCD/最優先はABCDの評価と対処!さらなる掘り下げの視点も忘れない!

■2時間目
症例ごとに考えてみよう
病態や疾患を見つけるためのキーワード

●キーワードから病態・疾患を導き出そう
●腹痛を訴える患者さん
痛みの種類に注目!/痛みに波があるときは管腔臓器を疑う/腸閉塞のお腹の様子/ニボー(鏡面形成)と嘔吐/内臓の痛みは内臓が動くときに感じる
●お腹が硬くない腹痛の患者さん
お腹が硬い場合は腹膜炎を疑うけれど……/血液検査データから腸管の壊死を予想/腸管の血流障害/急な痛みは虚血性の疾患を疑う/腹膜刺激症状がなくても緊急性が低いとは言えない
●重要なキーワード「突然」「急に」「ずっと」を見極める
うまく問い返すと見極められる/ちゃんと診てほしいという患者さんの心理/緊急性の高い「つまる」「裂ける」「ねじれる」「破れる」
●患者さんの「痛み」をどう聞くか
痛みって何?動物も痛みを感じるの?/痛みの経験で身を守る/侵害による痛みと炎症性の痛みの違い/痛みを抑えるメカニズム─元気・興奮系のホルモン/米国の「痛みの10年」キャンペーン/医療者は痛みに敏感でいたい
●めまいを訴える患者さん
めまいは3つ/めまいの種類から損傷部位や理由を推測/脳や神経の構造をイメージしてめまいをチェック
●アナフィラキシーショックの患者さん
アナフィラキシーショックには緊急対応/「酸素、点滴、モニター」にアドレナリンを追加で至急準備/アナフィラキシー発症のしくみとアドレナリンの働き/アレルギーがない人にもアナフィラキシーショックは起こる/特効薬のアドレナリンが効かないケースもある/窒息の危険性あり!挿管と切開も想定しておく

■3時間目
「へー!そうなんだ」
リクツを知れば忘れない症例理解シリーズ

●食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)
午後、体育の授業中に倒れた患者さん。アナフィラキシーショックのようだけれど…/食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)が起きる条件/「食べてもいいけどすぐには運動しないでね」と指導
●フレイルチェスト
バイク事故で胸部損傷が疑われる患者さんの何をみる?/フレイルチェストはまずは視診で気づく/肋骨が折れると肺も傷つき呼吸不全になる/フレイルチェストは酸素投与と鎮痛で治療
●アニサキス
みぞおちの激痛だけれどバイタルは呼吸数が多いぐらいの患者さん/聞き取りポイントは食事の中身、痛みの種類、腹膜炎徴候の有無/アニサキスの痛みの理由/アニサキスの報告例が増加中。あらゆる海産物に危険性がある
●突然、腰が痛くなった患者さん
キーワードは「突然」。発症時の状況とバイタルサインからぎっくり腰と区別しよう!/大動脈破裂は腰痛とバイタルサインの異常、ショックを伴うこともある
●食欲がなく吐き気がある高齢の患者さん
具合は悪いがバイタルサインにさしたる異常はなし。何をみる?/「食欲がない」「既往」「服薬」に注目し、血液検査を実施/骨粗鬆症の薬と高カルシウム血症─食欲不振と吐き気の原因/高齢者は薬の副作用を要チェック!
●下痢を繰り返している患者さん
感染性腸炎には整腸剤と脱水の補正が基本/子どもも高齢者も脱水は大敵!十分な水分補給を/下痢には2種類ある/大半は腸管からの異常な水分分泌による下痢/下痢の病態の誤解/水分の吸収にはナトリウムと糖が必須!/下痢には経口補水療法
●意識を失って運ばれた、2人の低血糖の患者さん
似た症状から原因の違いを見抜こう/ミトコンドリアでつくられるATPがあるから生物は生きていられる/ATPはずっとつくり続けなければならない!/乳酸の上昇から考えられる病態/キーワードは「インスリン治
療中」と「飲酒」/低血糖による意識障害には糖分を補給。お酒が絡む場合はビタミンB1も!
●シアン中毒
軽度の熱傷なのに意識障害で火災現場で倒れていた患者さん/火災による意識障害は、一酸化炭素中毒とシアン中毒を疑う/室内火災で発生しやすいシアン化水素にはすぐに拮抗薬!/シアンによる意識障害とミトコンドリア/特効薬はシアノキット(R)
●一過性意識障害(失神)
一過性意識障害を医師はどう絞りこむか?/一瞬か持続的か?/一過性意識障害を脳梗塞とは考えない!/心臓は大丈夫?/検査は首から下!
●急性脳梗塞だけど……
意識は回復したが麻痺がある患者さん/t-PA(血栓溶解療法)の禁忌や適応外、慎重投与には要注意/大動脈解離にt-PAは絶対ダメ!/大動脈解離を見つけるには
●救急・急変時にいつも疑うべき手ごわい疾患
急性大動脈解離と肺動脈血栓塞栓症

■4時間目
一歩先読む報告、行動のコツ
医師の頭の中を知る!

●輸液について知っておこう
どんなときに輸液を入れる?/輸液で何を補うの?/血圧と血漿/輸液はどう使い分けるの?─成分をチェック!/輸液の量はどうやって決めるの?─入れすぎも危険!/症例に応じた輸液の選択
●赤い尿は要注意!
「赤い尿」=「血尿」ではない!/赤い尿の可能性は3つ!─血尿、ミオグロビン尿、ビリルビン尿/色の特徴で見分けられる?/step1:黄疸かどうかの見極め!/step2:潜血の内容をチェック!
●間違いやすい喀血と吐血、下血と血便
口から出るのは喀血と吐血、お尻から出るのは下血と血便/下血と血便を混同しない!/喀血と吐血をどう見分ける?/報告に要注意の3項目─見極めかたと報告のしかた
●医師を“動かす”伝え方
夜間に急変した患者さん。当直医にはどう伝える?/医師が「すぐに動こう」と思う言葉/SBARで報告しよう!/ポイントは「前置き不要!要件は何?聞かれたら即答!」/2チャレンジルール/CUSを意識しよう!

・引用・参考文献
・索引
・著者プロフィール