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これならわかるICU看護
筆頭著者 道又 元裕 (編著)
照林社
電子版ISBN
電子版発売日 2021年12月13日
ページ数 272
判型 B5判
印刷版ISBN 978-4-7965-2426-1
印刷版発行年月 2018年3月
書籍・雑誌概要
●根拠にもとづく観察・アセスメントの視点や、ケア実施時の注意点を、ポイントをおさえて図表を使ってわかりやすく解説。「何を、どう見て、どう動くのか」が理解できる。
●ICUナースにとって必須の知識である「ショック」についても、ていねいに解説。
目次
「ショック」の理解
ショックは心肺停止に次ぐ重症病態
ショックは「機序」によって分類される
血液分布異常性ショック
循環血液量減少性ショック
心原性ショック
心外閉塞・拘束性ショック
1 呼吸モニタリング
呼吸は「換気」と「ガス交換」に分けて考える
SpO2:異常を早期に見抜くため「100%にしない」
EtCO2:「換気の異常」とその原因を鋭敏に反映する
2 酸素投与
酸素投与は、循環が維持されている場合の対症療法
デバイスは、必要な酸素濃度、FiO2、加湿を考えて選ぶ
高流量システムは、厳密な酸素濃度管理が可能
低流量システムでは、厳密な酸素濃度管理が難しい
3 人工呼吸管理
人工呼吸器もNPPVも「生命維持装置」である
人工呼吸器:基本のモードは3つだけ
NPPV:換気補助を行うモードは3つだけ
人工呼吸管理中は「ABCDE バンドル」に沿ってケアする
4 人工呼吸器離脱
人工呼吸器離脱:現在の主流は「SBT」
離脱の進め方:常に再挿管のリスクを念頭に置く
5 循環モニタリング
循環は、前負荷、心収縮力、心拍数、後負荷からなる
心電図:モニターは大まかに、12 誘導は詳細に心臓をみる
動脈圧:観血的動脈圧モニターでは血圧変動をみる
血行動態:フロートラック センサー併用なら低侵襲
心機能:フォレスター分類はスワンガンツカテーテルで評価
6 補助循環
IABPやPCPSは、循環器薬が効かなくなった場合に用いる
IABPは「大動脈圧」をコントロールして心臓を補助する
PCPSは「流量」をサポートすることで心臓を補助する
ECMOは「肺を休める」ために用いる
7 ペーシング
ペーシングの対象となるのは徐脈性不整脈
恒久的ペースメーカー:心タンポナーデと感染を見逃さない
一時的ペースメーカー:位置異常による機能不全を防ぐ
CRT(心臓再同期療法):心不全の悪化徴候を見逃さない
経皮的ペーシング:急変時すみやかに使えるようにしておく
8 輸血・輸液管理
輸血は血漿の補填、輸液は血漿以外の体液維持が目的
輸血:バイタルサイン変化と呼吸困難に注意
輸液:輸液過剰によって生じる心不全症状に注意
9 血液浄化
血液浄化は「濃度の差」「圧力」によって腎機能を代替する
血液透析(HD):頭痛の出現に注意して観察
持続的血液濾過透析(CHDF):臓器からの出血に注意して観察
10 薬剤投与
効き方によりアゴニストとアンタゴニストに分かれる
循環器薬:血圧を維持し、ショックからの離脱を図る
鎮痛薬:適切に使用して、苦痛を最大限に除去する
抗凝固薬は、主としてDICの対症療法として用いられる
11 感染管理
ICU入室患者に感染が生じると、生命の危機に直結しうる
感染に関連する重症病態「敗血症」を理解する
広域抗菌薬の長期使用は、耐性菌定着や二次感染を招く
12 代謝管理
ICU患者の多くは血糖・電解質異常をきたしている
血糖管理:問題になるのは「高血糖」より「低血糖」
電解質管理:治療に伴う電解質異常にも注意する
13 栄養管理
重症患者は、筋・脂肪を分解してエネルギーを得ている
栄養アセスメント:主観的な評価を軽視してはいけない
栄養投与:ICUであっても不要な絶食は避ける
栄養評価:「疾患の改善と比例しているか」をみる
14 体温管理
ICU入室患者には「セットポイント異常」が生じている
体温異常への対応:全身の酸素化と循環維持が最優先
低体温療法:代謝・循環の抑制による弊害に注意
15 ドレーン管理
ドレーン排出物の状況から、術後の異常を察知する
胸腔ドレーン:「気泡」「呼吸性変動」に注意して観察
腹腔ドレーン:「どこを監視するか」で挿入部位が異なる
脳神経系ドレーン:「わずかな圧変化」が生命危機に直結する
「排液の性状」「刺入部」「固定状況」は必ず確認する
安全で苦痛ないドレーン管理をしながら、離床を進める
16 脳神経モニタリング
脳神経障害は「生命の危機」や「生活機能障害」に直結する
フィジカルアセスメント:意識障害に伴う症状を見抜く
ICPモニター:頭蓋内圧をみる際は血圧・脈拍にも注意
BISモニター:RASSも併用して鎮静度をみる
17 ポジショニングと早期離床
侵襲と長期臥床は、患者の全身状態に多大な悪影響を及ぼす
離床の判断:疾患との関連、呼吸・循環への影響を考慮
ポジショニング:目的に合う体位を無理なく安全に保持
早期離床:患者を「疲れさせない」よう、安全に施行
18 画像の見かた
ICUでは「ポータブルX線写真」が主流である
胸部X線写真:肺、心臓と大血管、挿入物の状況がわかる
腹部X線写真:ガス、脂肪組織に接する部位に注目