外科医の眼
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外科医の眼

TVドラマでは描かれない外科医の本音 筆頭著者 森田 博義 (著) 横浜逓信病院院長/外科医 医学通信社 電子版ISBN 電子版発売日 2019年4月29日 ページ数 189 判型 四六 印刷版ISBN 978-4-87058-640-6 印刷版発行年月 2016年7月

書籍・雑誌概要

★“神の手”と呼ばれる天才外科医が,誰もが不可能という難手術を鮮やかに成功させ,賞賛の声を背中に白衣をなびかせて颯爽と歩く。が,そんなTVドラマに登場するヒロイックな天才外科医など滅多にいるものではない。現実の外科医はそんな格好いいものではない──と著者は言います。

★現実の外科医とはどのような人間なのか,どのような仕事をし,どのような思考・行動パターンをもち,どのような矛盾やトラブルに直面し,何に悩み,何に喜び,何を憤り,日々いかに格闘しているか。──本書ではそんな外科医の現実と本音を鮮やかな“筆さばき”で切り取ります。

★医療政策の歪みと医師不足のなかで,医学界の因習に翻弄されつつも,ただ一つの間違いも許されない生命のせめぎ合いに日々格闘し,ときには患者のクレームに振り回され,家族との時間と私生活にも犠牲を強いられる──身も心も削られるがごとき日本の外科医の現実がここにあります。

目次

はじめに

第1話 外科医とその現実
  内科の真髄は「診断学」であり、その方法論は「消去法」である
  外科は「処置学」であり、プロセスを第一に考える
  外科の仕事とは
  熟達した外科医がリストラにあう悲劇

第2話 外科医は今後も必要か?
  外科学の変化──腫瘍外科学が外科学の根幹に
  癌が克服されるまでは外科の任務は無くならない

第3話 切った、貼った が外科医の基本
  外科手術とは人体をメスで切り割く「野蛮な行為」?
  人は血が出ると生命の危険を感じる
  先人の努力と叡智の賜として現代の外科手術がある
  外科手術は出血との戦い

第4話 外科医の出番
  外科医は手術する患者以外に興味がない
  慢性疾患にも外科医の出番がある

第5話 外科と内科の違い
  外科と内科の違いは、処置の方法が異なるだけ
  外科でも保存的治療を検討するようになった疾患
  
第6話 紹介状をもってどの病院に行くのが正解か
  地域で偏在する医療提供体制
  患者は紹介料を払うことで大病院に辿り着く
  医療機関は患者に対して責任がもてる範囲で医療を行う
  救急時の医療機関の選択

第7話 変遷する外科手術
  人工肛門の患者を極力作らない方向へ
  外科医の挑戦が未来を拓く

第8話 外科医は65歳を過ぎたら手術をやめるべきか
  日本の人口ピラミッドは「釣り鐘型」から「つぼ型」へ
  〝身体の年齢〟と〝暦上の年齢〟
  外科医は65歳を過ぎたら手術をやめるべきか

第9話 医師が足りない?
  運転免許と医学博士は〝犬の糞〟ほどある
  医師の数さえ増えれば医師不足が解消できるという幻想
  〝粗製乱造〟──通り一遍のお座なりな医学教育
  新臨床研修医制度によって地域の中小病院が閉鎖に追い込まれている
  地域包括ケアシステムの導入

第10話 外科医の志望者が減少している
  女性外科医の代償
  バックアップ体制が無いまま、女性医師が増加している問題
  外科は体育会系で上下関係がきびしい
  外科医の改心
  閑話休題

第11話 とかく外科医は切りたがる
  なぜ外科医は手術をしたがるのか
  手術はしないで済めばそれに越したことはない
  手術創の大小が手術の良し悪しを決めるわけではない
  外科は屍を乗り越えて前進する
  「身体にできた余分なものは取り除いてしまえ」という外科的発想
  予後が変わらなければ手術すべきではない

第12話 外科医が肝を冷やすとき
  緊張感なく手術に臨むレジデント
  レジデントの勝手な説明でトラブルに
  冷たい汗が背中を流れるとき
  「責任を取ってくれますか」と患者に追い詰められることも
  閑話休題

第13話 外科医が威力を発揮するとき
  急患、急変時に外科医は威力を発揮する
  急患、急変時には専門外の疾患にも対処しなくてはならない
  閑話休題

第14話 外科医は当てにならない
  予期せぬ急患
  求められる「緊急」の判断
  当てにならない、割の合わない外科医

第15話 ある医学部教授の死
  治療方針に結論が出ない
  教授夫人の話

第16話 それでも外科医の誇りは捨てられない
  「一般外科」は経験豊かな医師のみが標榜できる
  外科医の熟練と経験が軽んじられている現実
  外科医の開業はむずかしい
  外科医の誇り

終わりに

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