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プロフェッショナルが伝える しびれ外来
筆頭著者 井須 豊彦 金 景成 (編著)
釧路労災病院脳神経外科部長,末梢神経外科センター長/日本医科大学千葉北総病院脳神経外科准教授
その他の著者等 菅原 淳,森本大二郎,笹森 徹,國保倫子,藤原史明,石垣大哉,佐藤雅美
中外医学社
電子版ISBN
電子版発売日 2021年10月28日
ページ数 143
判型 A5判
印刷版ISBN 978-4-498-22801-6
印刷版発行年月 2021年10月
書籍・雑誌概要
難しいしびれ,痛みの外来診療を丁寧に解説して好評を得た「しびれ,痛みの外来診療―そのポイントとコツを教えます」が全面リニューアル.改訂改題してさらにパワーアップした.特に,画像では診断が困難で身体に触れることでわかる臀部,下肢の絞扼性末梢神経障害を重点的に加筆.長年に渡り最前線で活躍してきたプロフェッショナルの視点と実践的な技を豊富な画像とイラストで丁寧に解説した.今日からの診療が変わる1冊.
目次
はじめに
I 外来受付から診察までの流れ
【1】しびれ,痛みを訴える患者はすべて診察
症例1 腰痛あり,当科を受診したが,他科を紹介されそうになった50歳代男性
症例2 脳神経外科では手根管症候群の治療はできないと勝手に思い込んでいた50歳代女性
【2】問診票の記載
症例3 問診票に受診の目的を記載せず,診察時にも何も語らなかった腰部脊柱管狭窄症例,50歳代女性
症例4 画像所見のみを信じて,手術をされそうになった腰痛症例,70歳代女性
豆知識1 腰痛の局在(どの範囲の痛みを腰痛というか)〈森本大二郎〉
コラム 私の問診票〈井須豊彦〉
【3】問診票をチェックして検査の指示
【4】検査から診察までの流れ
症例5 上肢のしびれを訴え受診.長時間待たされたため,怒り出した症例,50歳代女性
症例6 長時間待って,診察を受けた腰部脊柱管狭窄症例,60歳代女性
II 初回診察
【1】診察室のドアを開け診察椅子に腰掛け,診察するまで
【2】しびれ,痛みはどの部位にあるか
A 脊椎病変
症例7 右側殿部,大腿外側から下腿外側にかけて痛みを呈した右側L5/S1レベルの腰椎椎間孔狭窄症,60歳代,女性
症例8 左側大腿前面の痛みを呈したL2/3レベルの腰椎椎間板ヘルニア例.50歳代,男性
症例9 腹部から両下肢全体のしびれ,感覚鈍麻を訴えた胸椎黄色靭帯骨化症例,60歳代,男性
症例10 左上肢尺側から左手第4,5指のしびれ,痛みを訴えたC7/T1レベルの椎間孔内椎間板ヘルニア例,50歳代男性─CT脊髄造影が有用であった症例
症例11 頸椎術後(C5/6レベル)も左側上肢尺側から第4,5指のしびれが改善しなかったC7/T1レベルの頸椎症例,40歳代男性
B 絞扼性末梢神経疾患
C Tinel様徴候,圧痛部位の確認
症例12 左側下腿外側─足背のしびれ,痛みを呈した絞扼性総腓骨神経障害例,50歳代女性
症例13 左側膝の人工関節置換術後も左側大腿内側から膝内側の痛みが残存していた左側伏在神経障害,60歳代男性
豆知識2 糖尿病と足根管症候群〈藤原史明〉
豆知識3 ハンター管症候群(伏在神経障害)〈金 景成〉
豆知識4 胸郭出口症候群〈森本大二郎〉
【3】どのようなことをすると症状が悪化するか,軽減するか
【4】症状はいつから出現し,悪化しているのか,軽減しているのか
【5】患者の訴える症状のみで診断が疑われる病気
症例14 頸椎症と診断された手根管症候群例,50歳代女性
症例15 両側足底前方部のしびれ,餅がついた感じ,冷感を呈した足根管症候群例,60歳代女性
豆知識5 触れてわかる腰痛〈金 景成〉
豆知識6 脊椎転移とTokuhashiスコア〈森本大二郎〉
豆知識7 仙腸関節スコア〈森本大二郎〉
【6】神経学的検査法ならびに理学所見の取り方
A 神経学的検査
B 理学的所見の取り方
COFFEE BREAK 診察時,エチケットは必要~診察中,ガムを噛んでいた腰部脊柱管狭窄症例,50歳代男性〈井須豊彦〉
【7】投薬治療
豆知識8 神経障害性疼痛に対する治療薬─最新の知見─〈國保倫子〉
III 再度の診察(外来での精査終了後)
【1】診察前に,検査所見を確認
症例16 誘因なく,突然,腰痛が出現して他院を受診するも経過観察された腰椎椎体骨折例,80歳代女性
豆知識9 骨粗鬆症の検査と治療〈國保倫子〉
豆知識10 見逃してはいけない病気とは〈金 景成〉
コラム 一般再診外来でしびれのチェックも重要〈金 景成〉
【2】再度,問診し,病気ならびに治療法を説明
【3】治療法の選択
コラム 腰痛を呈する腰椎周辺疾患に対するブロック治療〈藤原史明〉
豆知識11 腰椎椎間板ヘルニアの自然経過〈金 景成〉
コラム 腰椎周辺疾患による腰痛の頻度〈藤原史明〉
コラム 絞扼性末梢神経障害に対する手術とは〈金 景成〉
【4】病気のパンフレット(脊椎変性疾患ならびに末梢神経疾患)
IV 手術治療における外来診療の役割─外来で確認しておかなければいけないこと─
【1】手術治療のタイミング
症例17 安易に頸椎手術治療を受けた症例,60歳代男性
症例18 急いで腰椎手術を受けた上殿皮神経障害例,70歳代男性
症例19 他院で腰椎手術を勧められた症例,70歳代女性
【2】手術合併症について
症例20 手術合併症の話を聞いて怒った腰部脊柱管狭窄症例,50歳代男性
【3】家族の同意も必要
症例21 同意書作成時に,手術が恐ろしくなり手術を中止した頸椎症例,40歳代男性
症例22 手術同意書作成時に家族の同席が不可能であったため,大学病院を紹介した頸椎症例,60歳代男性
【4】他の医師の意見を聞くことは重要
症例23 症状が軽微で手術の適応がなかったが,手術を希望したため大学病院を紹介した頸椎症例,60歳代男性
【5】手術決定後にしなければいけないこと
コラム 手術前のチェックポイント:休薬が必要な薬剤,全身麻酔が困難な状態など〈石垣大哉 菅原 淳〉
COFFEE BREAK 私の手術件数ならびに手術内容の変遷〈井須豊彦〉
過去10年間の手術内容の変化〈井須豊彦〉
V 手術後の外来診察
【1】退院後の初回診察(脊椎単純撮影,CT撮影後)
【2】術後の経過観察
症例24 頸椎前方除圧固定術後8年目に固定隣接椎間の頸椎症性神経根痛で発症した症例,50歳代男性
症例25 腰椎術後も腰痛が残存した上殿皮神経障害例,60歳代,男性
コラム 脊椎脊髄外来における鍼灸治療の役割〈佐藤雅美〉
豆知識12 術後に残存あるいは増強する痛み─failed back surgery syndrome〈森本大二郎〉
豆知識13 難治性疼痛に対する脊髄刺激療法〈笹森 徹〉
VI 外来診療をスムーズに行うためのコツ
【1】病院スタッフとの連携
症例26 病院スタッフとの連携が患者の信頼を得た頸椎症例,40歳代男性
【2】病気ならびに医療情報の提供
症例27 外来の待合室に掲載している足根管症候群のポスターをみて,足根管症候群と自己診断した症例,60歳代女性
症例28 病気のパンフレットをみようとしない腰部脊柱管狭窄症例,70歳代女性
【3】リスクマネジメント
症例29 外来スタッフに患者,家族が本心を打ち明け,当科での腰椎手術が回避できた症例,70歳代女性
症例30 外来クラークには本音を言うものであると実感できた腰痛症例,60歳代男性
VII 外来診察時の心得
【1】私は脳神経外科医である─頭のてっぺんから足先までの神経の病気を診断,治療する外科医である─
症例31 多くの病院で,診断が困難であった足根管症候群例,50歳代女性
【2】どんな脳神経外科医になりたいのか
症例32 腰椎術後に神の手と言われた症例,70歳代女性
【3】働いている地域や自分の立場を自覚すべき
症例33 患者本人のみの話を信じなくて良かった腰部脊柱管狭窄症例,60歳代男性
【4】脳神経外科医を継続するコツ
症例34 患者,外科医,看護師が一致団結して治療した腰椎術後硬膜外膿瘍症例,60歳代女性
VIII おわりに
時代おくれの身体に触れる診察,治療を目指して