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こういうことだったのか!! 肺エコー
筆頭著者 恒石 鉄兵 小尾口 邦彦 (著)
京都府立医科大学麻酔科学教室・集中治療部
中外医学社
電子版ISBN
電子版発売日 2022年11月25日
ページ数 160
判型 A5判
印刷版ISBN 978-4-498-13058-6
印刷版発行年月 2022年11月
書籍・雑誌概要
エコーは系統立てて学ぶ機会が乏しく,なんとなく苦手意識を持っている人も少なくない.
本書では,比較的新しい分野である肺エコーにスポットを当て,その原理や使い方,画像の見かたなどについてごく平易な言葉で解説している.また,従来の診断方法に肺エコーをどのように組み込むか,周辺知識にも言及.俯瞰的に理解できるようになり,肺エコーの使い時を正確に判断できるようになる.実践能力が身に付く心強い1冊だ.
目次
CHAPTER 01 肺エコーの基本 まず胸膜コンプレックスとAラインを理解する
●肺エコーとは虚構の中から真実を拾い出す作業
●まずは胸膜コンプレックスを同定する
●Aライン
本当に空気が超音波を跳ね返すの? 〜コウモリのパラドックス〜
音波の性質
エアエコー実験
ゼリーを塗ったエアエコー実験
CHAPTER 02 肺エコー 縦線Bラインとその仲間たちを理解する
●Bライン
肺の構造の復習
Bラインの意味
BラインもAラインと同様に虚像
Bラインの特徴をしっかり押さえる
●Bライン以外の縦線lung cometなどとの鑑別が重要
●皮下気腫を示唆するEライン
●肺エコーによるコンソリデーションの評価
CHAPTER 03 肺エコーは胸膜コンプレックスにフォーカスをあわせることから始まることを知る
●リニアプローブ
Spatial compound
●オンボロエコーは肺エコーに向いているかも?
エコー深度(depth)
フォーカス
●セクタープローブ
●コンベックスプローブ
●筆者の肺エコープローブの使い分け
●プローブの当て方のコツ
胸膜コンプレックス同定を怠ると…
CHAPTER 04 肺エコーを用いた呼吸障害の原因検索と臨床推論 BLUE-protocol
●避けては通れぬBLUE-protocol
Lung slidingの確認がスタート
Aプロファイル,Bプロファイル,Cプロファイル,A/Bプロファイル
PLAPS(posterolateral alveolar and/or pleural syndrome)
●BLUE-protocolはあくまで短時間で病気の目星をつけるツール
CHAPTER 05 肺エコープローブを当てる部位と当てるコツ
●肺エコープローブを当てる部位
●BLUE-protocol提唱部位
●肺エコーにおけるプローブの当て方のコツ
●基本が大切 肺エコー画像?
●基本が大切 肺エコー画像?
CHAPTER 06 心原性肺水腫と非心原性肺水腫
CHAPTER 07 肺エコーと緊張性気胸
●緊張性気胸の身体診察
身体診察と肺エコーのどちらを優先させる?
肺エコーによる気胸診断の実際
●肺エコーによる気胸診断のピットフォール
Lung slidingがない⇒気胸,seashore signの消失⇒気胸 ではない
Lung pointがなければ?
Lung slidingがないBプロファイル
前胸部におけるlung slidingの観察は難しい
【コラム】肺エコーによる気胸評価を経験するために
CHAPTER 08 偽lung pointに騙されるな!
(1)生理学的lung point
(2)偽lung point
(3)Bleb point
CHAPTER 09 緊張性気胸と緊急脱気
●緊張性気胸の診断方法
非挿管患者の緊張性気胸の症状と頻度
進行した緊張性気胸の症状と頻度
人工呼吸管理中患者における緊張性気胸の症状と頻度
救急医療テキストで語られる緊張性気胸
偽性気胸(pseudopneumothorax)
●「緊張性気胸を疑えば即脱気」をすればよいのか?
CHAPTER 10 偽性緊張性気胸?
●緊張性気胸 or 痰詰まり??
●偽性緊張性気胸?
●痰詰まりによる偽性緊張性気胸
気道閉塞(痰詰まり)による偽性緊張性気胸の診断精度を高めるために
●片肺挿管にも注意
●人工呼吸管理中トラブルの標語DOPE・いきつめ
CHAPTER 11 肺エコーで肺炎に挑む
●肺エコーを用いて肺炎を診断する(…こともある)
心不全っぽいのか肺炎っぽいのか肺エコーで方向性がわかることに意義がある
肺エコーにおいて胸水とコンソリデーションの鑑別が困難であるとき
CHAPTER 12 肺エコーを炎症肺と非炎症肺の鑑別に活用する
●炎症肺か非炎症肺かの鑑別に肺エコーを活用する
●肺エコーの胸膜面に注目
●心原性肺水腫を見抜く!
CHAPTER 13 重症肺血栓塞栓症の診断・治療を整理する
●肺梗塞と肺塞栓症
造影CT撮影前,初期診療において肺塞栓症を疑う所見
●肺塞栓症を想起したら即時心エコーはマスト業務
●静脈血栓症と動脈血栓症
日本と海外では血栓溶解薬の認可状況が異なる
急性心筋梗塞に対しての血栓溶解療法
●ショック状態の肺塞栓症には血栓溶解薬の積極使用を考えたい
肺塞栓症に対する血栓溶解薬使用の実際
肺塞栓症に対する抗凝固療法
CHAPTER 14 アバウト下肢静脈エコーを学ぶ
●アバウト下肢静脈エコーのススメ
●下肢静脈エコーで血栓を探す!
血管へカテーテルがうまく入らないときにも…
●下肢静脈の部位によるDVTの名称
DVTの発生と進展
プロの下肢静脈エコーと一般医レベルの下肢静脈エコー
●下肢静脈血栓を簡易的に探す2 point study
ポイント1
ポイント2
2 point studyの意義
●DVT治療
下大静脈フィルター(IVCフィルター)
IVCフィルターは決して侵襲性が低いデバイスではない
IVCフィルターの適応
CHAPTER 15 肺エコーを日々の病棟管理に活用する
●水が入りすぎかなあ? もっと除水したほうがいいのかな?
●肺炎はよくなっている? つぶれた肺は開いている?
CHAPTER 16 横隔膜をエコーで評価する
●横隔膜エコー
●横隔神経麻痺も評価できる
肺保護換気
VIDD
●横隔膜保護換気と横隔膜機能評価
肺保護換気と横隔膜保護換気はときとして両立し得ない
CHAPTER 17 エコーを胸腔穿刺・胸腔ドレーン留置に活用する
●胸腔穿刺・胸腔ドレーン留置時にエコーは必須
胸腔穿刺部位
胸腔ドレーン留置の実際
胸腔ドレーンの固定は意外に難しい
エコー本体の位置も重要
CHAPTER 18 外傷初療とFASTとEFAST
●事前準備と第一印象の把握
●Primary survey
A(Airway,気道)の評価と気道確保
B(Breathing,呼吸)の評価と致死的な胸部外傷の処置
Cは評価だけでなくマスト業務が多くある
C(Circulation,循環)の評価
Cにおける活動性出血の止血(外出血のコントロール)
Cにおける静脈路確保・輸血の準備
Cにおける画像による内出血の検索:胸部・骨盤部X線写真
Cにおける画像による内出血の検索:FAST
EFAST
Primary surveyに頭部CT画像は入らない
切迫するDの評価
Exposure and environmental control(脱衣と体温管理)
Primary surveyの総括
●Secondary survey
FAST・EFASTの実践機会は膨大にある
索引