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臨床外科 Vol.75 No.8

特集 遺伝性腫瘍とゲノム医療を学ぶ

臨床外科 Vol.75 No.8
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医学書院

電子版ISSN 1882-1278

電子版発売日 2020年7月27日

ページ数 120

判型 A4

印刷版ISSN 0386-9857

印刷版発行年月 2020年7月

書籍・雑誌概要

特集 遺伝性腫瘍とゲノム医療を学ぶ 遺伝子診断の飛躍的進歩により,外科医が日常的に接している腫瘍の中に少なからぬ頻度で遺伝性腫瘍(家族性腫瘍)が含まれていることが明らかとなってきました.遺伝性腫瘍においては,家系内発症に対するサーベイランス,遺伝子カウンセリングに配慮するとともに,複数の臓器に腫瘍を発症することが多いため,診療科を越えた知識や対応が必要となります.一方,薬物療法の進歩とともにバイオマーカーとしての遺伝子変異の重要性は増すばかりであり,マイクロサテライト不安定性(MSI)などに対する遺伝学的検査が日常診療の中で行われるようになりました.さらに,がん遺伝子パネル検査が保険収載され,臓器横断的に施行されるようになったことにより,臓器の枠を越えた多様な治療薬が選択できるようになるとともに,遺伝性腫瘍に関連する遺伝子変異が数多く同定されることが予想されています.本特集では,急速な展開を見せる遺伝性腫瘍・ゲノム医療において,外科医が知っておくべき事項に焦点を当て,臨床に役立つようわかりやすく解説していただきました.

目次



 遺伝子診断の飛躍的進歩により,外科医が日常的に接している腫瘍の中に少なからぬ頻度で遺伝性腫瘍(家族性腫瘍)が含まれていることが明らかとなってきました.遺伝性腫瘍においては,家系内発症に対するサーベイランス,遺伝子カウンセリングに配慮するとともに,複数の臓器に腫瘍を発症することが多いため,診療科を越えた知識や対応が必要となります.一方,薬物療法の進歩とともにバイオマーカーとしての遺伝子変異の重要性は増すばかりであり,マイクロサテライト不安定性(MSI)などに対する遺伝学的検査が日常診療の中で行われるようになりました.さらに,がん遺伝子パネル検査が保険収載され,臓器横断的に施行されるようになったことにより,臓器の枠を越えた多様な治療薬が選択できるようになるとともに,遺伝性腫瘍に関連する遺伝子変異が数多く同定されることが予想されています.
 本特集では,急速な展開を見せる遺伝性腫瘍・ゲノム医療において,外科医が知っておくべき事項に焦点を当て,臨床に役立つようわかりやすく解説していただきました.

■総論
外科医が知っておくべき遺伝性腫瘍
松林 宏行・他
遺伝性腫瘍とゲノム解析の遺伝カウンセリング
浄住 佳美・他
■遺伝性腫瘍
遺伝性胃がん
椙村 春彦・他
遺伝性GIST
内藤 陽一
家族性大腸腺腫症(FAP)
中島 健
家族性膵癌
高折 恭一・他
リンチ症候群
林 直美・他
遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)
大住 省三
多発性内分泌腫瘍症(MEN)とフォン・ヒッペル・リンドー(VHL)病
吉田 雅幸
■ゲノム医療
がん遺伝子パネル検査と連携協力体制
青柳 康子・他
SCRUM-Japan GI-SCREENの成果と今後の展望
谷口 浩也
MSI-high固形癌に対する免疫チェックポイント阻害薬治療と当院におけるMSI検査体制 
緒方 貴次・他



●FOCUS
膵癌早期診断のための地域医療連携システム(尾道方式)
花田 敬士
●坂の上のラパ肝・胆・膵(第8回)
肝前区域切除術
大目 祐介・他
●病院めぐり
兵庫県立加古川医療センター外科
高瀬 至郎
●臨床報告
腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TEP法)を施行した子宮内膜症を伴う成人Nuck管水腫の1例
坂下 克也・他
腸閉塞と腹部コンパートメント症候群をきたした巨大鼠径ヘルニアの1例
佐藤 拓・他
術中大量出血に対し短時間ガーゼパッキングを行い巨大腫瘍を摘出した1例
福留 惟行・他
保存的に治療した門脈ガス血症を伴う食餌性イレウスの1例
山村 みつ江・他
●ひとやすみ・192
何歳になっても学会発表を
中川 国利
●昨日の患者
逆境にめげずに夢を追う
中川 国利
●1200字通信・146
続・働き方改革
板野 聡